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CT検査
CT(Computed Tomography)とは
CT検査とはComputed Tomography(コンピュータ断層撮影)の略です。
CT検査はエックス線を体の周囲からあてて輪切りの断面画像を抽出することができます。
検査方法は2種類あります。
単純CT検査:造影剤を使用しません
造影CT検査:造影剤を静脈から注射し、血液の流れなどから多くの情報を得ることができます
原理
エックス線は身体の内部を通過しますが、組織や臓器によって通過しやすさは異なります。CTは通過したエックス線量の差をデータとして集め、コンピュータで処理することによって身体の内部を画像化します。通過後のエックス線量を収集する部分を検出器と呼び、エックス線を出す部分と検出器を対面にして回転させ、身体の周囲を360度方向から連続的に エックス線を当てるようにし身体を "輪切り"にした断面像を構成します。
装置一覧
検査の方法と流れ
- 受付
・1階の初診受付または、自動再来受付機で『本日のご案内』を発行し、エスカレータまたはエレベータで2階放射線科受付(下図➀,➁参照)までお越しください。
・CT待合の椅子で座ってお待ちください。(図➂)
・CT検査スタッフが順番にご案内します。
※予約時間どおり検査を行えるよう努力しておりますが、検査ごとに内容が異なるため、予約時間と実際の検査時間が前後することがあります。また、当院は救急指定病院であり、緊急検査を優先して行う場合があります。あらかじめご了承ください。
・造影検査の方は『造影CT検査説明同意書』を準備してお待ちください。
2.準備
メガネ、入れ歯などの金属を外していただくことがあります。金属のついた下着や衣服の場合、検査着に着替えていただくこともあります。(図➃)
『造影CT検査説明同意書』を確認いたします。
造影剤を使用する方は造影剤を注入するための血管確保を行います。(図➄)
採血などで体調が悪くなる方や、以前に造影検査で体調が悪くなったことがある方は事前にCT担当技師まで申し出てください。
4.CT撮影
装置の寝台に仰向けで寝ていただきます。(図➅)
撮影が始まるとベッドが少しずつ移動します。
検査中は身体を動かさないでください。胸部や腹部の撮影では呼吸の合図があります。
造影剤注入後一時的に身体が熱く感じることがあります。
検査中でもCT担当技師とマイクで会話できますので気分が悪くなったらすぐに伝えてください。
検査終了後、止血を行います。血が止まるまで押さえていただきます。
身支度を整えて終了です。
注意事項
造影剤について
造影剤とは?
CT検査で使用する造影剤は一般に「ヨード造影剤」と呼ばれるものです。通常、静脈から注入し撮影を行います。
造影剤を使用するメリットは?
造影剤を用いることにより臓器や血管にコントラストがつきます。より明瞭に描出されることにより正確な診断が可能となります。全身の様々な部位の検査において造影剤が用いられています。
造影剤による副作用は
造影剤注入後一時的に体が熱く感じることがありますがすぐに消失しますので心配することはありません。
ただし、稀に副作用が生じることがあります。
- 急性副作用:造影剤注入直後から数分であらわれるもの
- 遅発性副作用:造影剤注入直後より1時間以降にあらわれるのもの
- 軽い副作用:吐き気、嘔吐、かゆみ、じんましんなど
- 重い副作用:呼吸困難・ショック・意識障害・血圧低下など
当院では、万一の副作用に備えて万全の体制を整え検査を行っております。もし、検査中に異常を感じた場合は、ためらわずに担当技師にお知らせください。
使用時の注意事項
検査前に必ず『造影CT検査説明同意書』を確認します。造影剤を使用しない検査に変更する場合もあります。
次の方は検査前にお伝えください。
- 以前に造影剤を使用して副作用症状が出たことがある
- 気管支喘息の既往がある
- 重篤な心臓、肝臓または腎臓の障害がある
- マクログロブリン血症、多発性骨髄腫、テタニー、褐色細胞腫を指摘されている
- 糖尿病の薬を飲んでいる
使用後の注意事項
- ほとんどが尿と一緒に体の外に出ていきます。水分を多めにとってください。
- 造影CT後の食事は通常通りで構いません。
- 検査終了後、吐き気、嘔吐、頭痛、発疹、かゆみなどの症状が出た場合はすぐに近くにいる病院スタッフへお知らせください。
- 遅発性に副作用が現れることもあります。症状があらわれた場合は病院に連絡してください。
低線量胸部CT検査(低線量肺がんCT検診)について
肺がん検診は40歳以上を対象に1年に1回の受診が推奨されています。検査項目は問診と胸部エックス線検査であり、50歳以上で喫煙指数が600以上の肺がんハイリスク対象者には喀痰細胞診も併せて実施されます。「低線量の胸部CT検査」は死亡率減少効果の有無を判断する証拠が不十分であるため、対策型検診(住民検診)として実施することは推奨されていません。しかし、CT検査は分解能に優れているため低線量胸部CT検査を組み合わせることでより早期の肺がんを発見できることが報告されています。
低線量肺がんCT検診による利益と不利益
利益
- 検診によって早期に病変が発見され、早期に適切な治療を受けることができ、その肺がんによって死亡することを回避できる可能性があります。
- 肺がん以外の呼吸器の病気(肺気腫、肺炎、気管支拡張症、抗酸菌感染症など)や、肺以外の病気(心臓や血管の動脈硬化像、乳がんなど)が発見されることもあります。
- 検診を受けて「異常なし」と判定されれば、ひとまず安心して生活することができます。
不利益
- 検診で異常が見つかったとしても、結果的に肺がんではないこともあります。
- 異常な影の中には肺がんと非常にまぎらわしいものがあり、肺がんか否か診断するために、気管支鏡生検、経皮肺針生検、場合によっては全身麻酔下による胸腔鏡生検(病変の一部を採取してくる検査)などの精密検査や、定期的な経過観察が必要となることがあります。
- 検診で肺がんが発見されても、それが、将来あなたの生命に影響を及ぼさないようなゆっくりとしたがんである可能性もないわけではありません。
- 通常の胸部CT検査より低線量ではありますが、被ばくが伴います。
よくある質問
Q1.検査前に食事しても良いでしょうか?
A1.検査予約時間の3時間前までに食事を済ませていただく必要があります。
- 水分は水かお茶であれば問題ありません。
- 常備薬も通常どおり服用いただいて構いませんが、糖尿病薬を服用されている方はスタッフに申し出てください。種類によっては服用をひかえていただく場合があります。
Q2.薬を飲んでいます。大丈夫でしょうか?
A2.どのようなお薬を服用されているかスタッフにお伝えください。
- 服用されている場合、主治医にご確認ください。場合によっては休薬が必要な場合があります。
- 糖尿病薬の中にはCTで使用する造影剤と相性の悪いお薬があります。服用されているお薬をご確認ください。
(下記リンク)糖尿病薬一覧
Q3.咳が出やすく息を止めるのが難しいです。大丈夫でしょうか?
A3.撮影中に体動があった場合、画像を確認し再度撮影する場合もあります。
- 広範囲を高速に撮像することが可能な装置もありますし、撮影時間を短くする工夫も行います。
Q4.被ばくが心配です。
A4.CT検査は他の放射線検査に比べると被ばく線量は高い部類に入りますので被ばくが心配になると思いますが、基本的に健康被害をもたらすような被ばく線量ではありません。また、医療被ばく研究情報ネットワーク(J-RIME)から出された日本の診断参考レベル(Japan DRLs2020)を参考に撮影条件の最適化を行っています。
- CT検査は分解能が高く詳細な画像診断の根幹をなす検査であり、かつ簡便であることからよく選択されます。しかし、検査をオーダーする医師は診療上その検査か必要かどうか(正当化)の判断をし、放射線技師はより低い線量でかつ画像診断に支障がない画像提供(最適化)を常に行っております。
もし被ばくに関することで不安がありましたら、検査前に担当技師にご相談ください。
Q5.検査にはどのくらい時間がかかりますか?
A5.10~30分程度ですが、検査内容によって異なります。
Q6.授乳中ですが、大丈夫ですか?
A6.造影剤を使用しない検査は問題ありませんが、造影剤を使用した場合は検査後48時間は授乳を避けていただいています。
- 2019年に日本医学放射線学会により造影剤使用後の授乳による児への影響は非常に小さく、特段の理由がない限り、造影剤使用後の授乳制限は必要ないと判断されました。しかし、日本で販売されているヨード造影剤の添付文書では「投与後48時間は授乳を避けさせること」と記載されています。当院では添付文書に従って運用しております。