輸血検査室

輸血検査室で実施している検査

輸血検査室では、安全な輸血を実施するために輸血関連の検査や血液製剤の管理、院内での安全な輸血が実施できる体制の構築や管理を含め輸血の一元管理を行っています。また、自己血採血の介助・保管も輸血検査室の仕事です。

血液型検査：輸血の前には、ABO血液型とRh（D）血液型を検査します。血液型が合わないと、体が拒絶反応を起こすことがあるため、安全な輸血のために欠かせない検査です。
不規則抗体検査：妊娠や出産、輸血などにより、自分とは異なる血液が身体の中に入ると、その血液に反応する不規則抗体（免疫）がつくられることがあります。不規則抗体があると、輸血したときに副反応が起こることがあるため、事前に行う検査です。
交差適合試験：患者さんの血液と輸血に使う輸血用血液製剤が適合するかを確認する検査です。

他にも、各種輸血関連検査を実施しています

全自動輸血検査装置　VISION　（ORTHO社製）

ABO血液型、Rh(D)血液型、不規則抗体を自動検査装置を使用して検査しています。

出血や貧血の際に、赤血球液が使用されます。赤血球液は冷蔵保存しています。
血液型の取り違え防止のため製剤が色分けされ、視覚的に区別しやすいようになっています。

A型（黄色）、B型（白色）、O型（青色）、AB型（ピンク色）

凝固因子（血液を固めるのを助ける物質）等の補充を目的に使用されます。
赤血球液と同様に製剤が色分けされ、視覚的に区別しやすいようになっています。
凍結保存されており、使用時に融解します。

血小板減少による出血時に使用されます。
赤血球液と同様に製剤が色分けされ、視覚的に区別しやすいようになっています。
血小板機能を保持するため、振盪器で振盪させながら室温保存しています。

等張アルブミン製剤と高張アルブミン製剤の2種類を管理しています。
等張アルブミン製剤は血漿膠質浸透圧を維持することにより循環血漿量を確保します。
高張アルブミンは体腔内液や組織間液を血管内に移行させることによって治療抵抗性の重度の浮腫を治療します。

血液製剤はそれぞれ保管温度が決められています。
当院では温度管理システムを導入し、保冷庫の温度が逸脱していないか24時間監視しています。管理幅を逸脱すると警報が鳴り、迅速に適切な対処ができる仕組みを整備しています。

一部の手術では、術前に自分の血液を冷蔵保存し、手術のときに使う『自己血輸血』という方法をとることがあります。
献血と同様な手法で採血し、適切な温度で大切に保管します。自己血輸血を行うことで、献血での血液を使用したときの輸血副反応のリスクを低く抑えることができます。