メニューにジャンプコンテンツにジャンプ

トップページ > 診療科・部門 > 診療科(内科系) > 放射線核医学科 > 核医学検査 > 受診方法とQ&A

受診方法とQ&A

Q&A

質問1:PET検査を受けるにはどうすればいいでしょう?

まずはじめに主治医にご相談ください。PET検査が必要と判断された場合は、主治医から検査予約をしていただき、診療情報提供書(紹介状)をおおくりいただきます(受診者の方が、当方に持参される場合もあります)。予約した期日に当院放射線核医学科にお越しください。

また、上記に該当しない場合はご相談ください。

当院への来院方法、受付方法は病院のホームページ内の「外来のご案内」をご覧ください。

質問2:PETの検査(全身)はどれくらいの費用がかかるでしょうか?

自費で検査をお受けになる場合は、約11万円(税込)です。保険診療では、この3割または1割負担になります。紹介状がない場合は、8,800円が加算されます。なお、人間ドックのオプション検査でPETを受ける場合、PETの料金は約10万円(税抜)となります。(人間ドック参照)

質問3:どうして5から6時間の絶食が必要なのでしょうか?

ブドウ糖代謝の状態を診断する薬剤であるFDGの体内分布は、血糖値(血液中のブドウ糖の値)と血糖値を調節するホルモンであるインシュリンの影響を強く受けます。食後血糖値が上昇し、インシュリンの濃度が高いと、FDGは、筋肉や脂肪にたくさん集まり、腫瘍や脳にはほとんど入らなくなり、がんの診断ができなくなります。このため、FDG-PETの検査前には少なくとも5から6時間の絶食をする必要があります。筋肉にはたくさん入るのに、腫瘍や脳に入らない理由は、細胞膜にあるグルコーストランスポーターというブドウ糖を運ぶ分子の性質が違うためです。

検査予定時間前の5から6時間以内に食事を摂取してしまった場合にはPET検査室にお電話をください。当日の検査スケジュールに余裕があれば、食後4~5時間空けて検査を行えることもございますが、検査日の変更をお願いする場合もございます。

質問4:検査の前日から当日まで運動をひかえるようにとのことですが、当日、病院まで歩いたり走ったり、駅で階段を登ったりすることは、大丈夫でしょうか?

運動すると、使われた筋肉にFDGが集まり、診断しにくい画像になります。FDGを注射したあとはもちろん、前日の激しい運動でも、筋肉は疲労回復のためにブドウ糖代謝が盛んになっており、FDGが集まります。日常生活で歩くことや、階段を登ったりすることは問題ありません。

質問5:FDGの注射後、何故1時間安静にしなければいけないのでしょうか?

FDGを注射した後、血液の中のFDGは時間とともに少なくなります。また、FDGは腎臓から尿として膀胱に排泄され、肝臓や筋肉などの放射能も少なくなります。一方、がんへの集まり具合は時間と共に高くなり、がんの種類により大きく異なりますが、1時間くらいたつと、診断が可能なほど十分に高い集積になります。脳への集まりは50分前後で最も高くなります。このため、脳を撮影するときは45分ころから撮影することがあります。がんを診るときは通常1時間後から撮影し、それでもわかりにくい時は、2時間後などの遅い時間で、がんにもっと集まり、筋肉や血液内のFDGがもっと低くなる時間に撮影します。安静にしていただくことで筋肉におけるブドウ糖の使用を減らすことができ、より診断のしやすい画像となります。

質問6:糖尿病で毎朝インシュリンを使用しています。検査当日はどうすればいいですか?

FDGを注射し、体の中で行き渡っている時間に、余分なインシュリンがない状態にすれば、何の問題もありません。つまり、短半減期型のインシュリンを注射して血糖値が下がり、血液中にもうインシュリンが残っていない状態のときに検査します。1型糖尿病で、微量のインシュリンを持続注射している場合は、ほとんど影響がなく、そのまま検査できます。調節がむずかしい場合は、食事をせず、インシュリンも注射しない状態で検査します。

しかし、インシュリンの利用方は患者様個々で異なりますので、まずは主治医にご確認ください。

質問7:検査直前までお水やお茶は飲んでも大丈夫ですか?飲んでいい量はありますか?

腎臓の病気などで主治医から水分摂取の制限されている場合を除き、当院ではお水やお茶を200mlくらい飲んでいただいても結構です。FDGは尿から排泄される薬剤ですので、水分摂取で必要以外のFDGが排泄され、被ばくも減らすことができます。一方、飲みすぎると刺激されて腸の動きが活発になり、FDGが無用に集まってしまう場合があります。

質問8:当日、体の調子が悪くなった場合、まずどうしたらいいですか?

後日、体調の回復を待って検査できるように日程を調整させていただきます。まず検査室にお電話をください(03-5273-6881)。
次回の診療に間に合わない可能性がある場合など、診療との調整が必要と考えられる場合は、担当医の先生にもご報告をお願いいたします。

質問9:痛み止めを服用中ですが、検査前に服用は可能でしょうか?

痛み止め、そのほか普段、常用している薬は飲んでいただいて構いません(糖尿病のお薬は基本的に検査前には飲まないでいただきたいですが、事前に主治医ともご相談ください)。

質問10:閉所恐怖症ですが、大丈夫でしょうか?

初めに撮影する機械を見ていただき、ご判断いただけますのでお申し出ください。

質問11:くすり(FDG等)の副作用や体があつくなったりすることはありますか?

造影剤ではありませんので、体が熱くなるような副作用はありません。PET検査により具合が悪くなるなどの副作用はなく、大変安全性の高い検査です。迷走神経反射といって、お薬を注射しなくても針を刺すなどの行為だけで、気分が悪くなる方はおりますが、通常はすぐに回復し、そのまま検査を続けることができます。

もし、採血等で気分が悪くなったことがあった場合は、お申し出ください。

質問12:検査後、子供や家族と接してもよいでしょうか?

体から出る放射線は時間と共に急速に少なくなります。半日くらい空ければ放射能は10分の1以下になり、問題ありません。

質問13:乳児に母乳を与えてもよいでしょうか?

注射したお薬FDGは、母乳にはごくわずかしか移行しません。しかし、お母さんの体から出る放射線で、抱かれている乳児は被ばくします。添い寝をしたり、抱くのは、検査後半日位は控えていただいた方がよろしいかと思います。またその間は、事前に搾乳した母乳を乳児に与えていただくことをお勧めします。

質問14:女性の場合、生理中にPETを行っても大丈夫ですか?
妊娠の可能性がありますが、PETを行っても大丈夫ですか?

生理中に検査を行うことは可能です。子宮内膜には月経中と排卵期に、卵巣には排卵期に機能的にFDGが集まることが知られています。子宮がんや卵巣がんとの判断が難しくなりますので、問診票に現在の状態を正しく申告いただきますようお願いいたします。
FDG-PET検査では放射線の被ばくがあります。妊娠初期に、気付かない状態で胎児が被ばくすることを避けるために、月経が終了してから10日以内に検査するのが望ましいと言われています。妊娠していないことが確認できてから検査しましょう。

質問15:妊娠中ですが、検査は受けられますか?

妊娠中でしたら、胎児の被ばくという観点から検査はおすすめできません。主治医と検査の必要性について、もう一度ご相談してください。