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2015年 国際展開推進事業

2015年 国際展開推進事業(ベトナム研修生 成果確認報告)

この度、国際展開推進事業でベトナム社会主義共和国へ1月3日~15日まで2周間行かせていただきました。この国際展開推進事業は「放射線部門・臨床検査部門・薬剤部門」の3部門の強化を目的としており、2015年、本邦研修として11月8日~12月5日にチョーライ病院、バックマイ病院の放射線部門、臨床検査部門、薬剤部門より10名の研修生を受け入れ、当センターにてそれぞれの部門での研修を実施しました。そして今回の派遣は、実施された放射線部門における研修のフォローアップをチョーライ病院、バックマイ病院で実施することを目的としており、

  • 放射線機器・画像の精度管理、精度管理システムに関する研修後のフォローアップを行う。
  • 放射線部門の状況を把握し、問題点を病院放射線部門と共有し、意見交換を行う。
  • 病院の状況を把握し来年度研修へ反映させる。

という3題のテーマを目標に活動してきました。現在ベトナムでの喫緊の課題は病院の質管理であり、放射線部門・臨床検査部門・薬剤部門の能力向上は重要課題となっています。放射線部門ではCT・MRI分野でそれぞれ要望を聞き、チョーライ病院、バックマイ病院それぞれのニーズに沿った内容での研修を行いました。 最初に、ホーチミンシティ最大のチョーライ病院を訪問しました。地方からも多くの患者様が来院するということで、病院内はどのセクションも多数の患者様で溢れかえっていました。MRI分野では、MRIの画質・パラメータの設定方法・心臓MRI・新しい撮像技術(DTI・f-MRI・ASL)などの指導の要望があり、現場でレクチャーを行いました。また、精度管理と撮像技術について講義をして欲しいとの要望もいただいたため、チョーライ病院の診療放射線技師・放射線科医師・学生・地方から研修に来ている技師を対象に、約1時間の講義を行いました。予定時間を超過する活発なディスカッションを行うことができ、大変うれしく感じました。また、こちらの病院では、当院でも行っていない検査も行っており、こちらも勉強させていただきました。

次の週はハノイに移り、バックマイ病院を訪問しました。バックマイ病院もチョーライ病院と同様、検査室前は検査待ちの患者様で溢れていました。精度管理の講義と現場でMRI画像の画質についての指導を依頼され、MRIパラメータや画像の濃度などについて詳細に説明しました。当センターで学んだ日常点検や精度管理を行っているか尋ねたところ、放射線科内の勉強会でプレゼンテーションを行い、日常点検に関しては毎日チェックし記録を取っているとのことでした。また、精度管理に関しては月に1回行っているということで、当センターでの研修成果が早速垣間見れてうれしく感じました。精度管理の講義では1時間以上にわたりましたが、技師・医師問わず多くの質問が飛び交い、非常に充実した講義であったと感じました。

今回の派遣ではベトナムの方にとても親切にしていただき、多くのおもてなしを経験しました。ベトナムの医療には課題が多くあるものの、検査内容を見ましても決して低いレベルではありませんでした。今回は横のつながりができ、様々なことを指導すると同時に多くのことを学べ、また、それ以上に充実した派遣であったと考えます。今回のコネクションを大切にし、意見交換をしながらお互いにスキルアップ・ブラッシュアップしていけたら良いと感じました。今回が第一歩です。スタートラインを踏み出し、今後も継続して連携していけるよう努力していきたいと考えます。貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。

MRI撮影主任
原田