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オクトレオスキャン(ソマトスタチン受容体シンチグラフィ)

神経内分泌腫瘍とソマトスタチン受容体シンチグラフィ

膵臓や消化管、あるいは胸腺・肺などのカルチノイド腫瘍、グルカゴノ―マ、インスリノーマなどの神経内分泌腫瘍(Neuroendocrine tumor: NETと略されます)は、増殖したり転移したりする悪性腫瘍の特徴と共に、ホルモンを生産したり、ホルモンに感受性を持つなど独特の機能を示す機能性腫瘍という特徴があります。多くの神経内分泌腫瘍は消化管ホルモンであるソマトスタチンに感受性がある(受容体がある)ことから、ソマトスタチン類似物質が治療薬として使われています(サンドスタチン®など)。オクトレオスキャンは、ソマトスタチン類似体に放射性物質を付けた薬剤で、ソマトスタチン受容体に結合し、受容体の分布を画像化して診断する検査です。神経内分泌腫瘍の機能性腫瘍としての特徴を画像で診断する検査です。ソマトスタチン受容体シンチグラフィ(Somatostatin receptor scintigraphy: SRSと略されます)とも言います。病巣検出力が高いことから、治療前の病巣診断、転移・再発診断などに使われます。ソマトスタチン類似薬による治療の適応判定にも用いられています。

ソマトスタチン類似体に放射性物質を付けた薬剤を注射し、内部から放射線照射してNETを治療するという、放射性核種標識ペプチド治療(Peptide receptor radionuclide therapy;PRRT)の良好な治療成績が報告されています。そして、そのPRRTの適応があるかどうかを画像で調べる検査がオクトレオスキャンです。更にSRSは、新しいソマトスタチン類似薬などの適応判定にも用いられています。(注:ガストリノーマや非機能性のNET、カルチノイドなどに比べ、インスリノーマは検出感度が下がることが知られています。)
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赤い矢印の神経内分泌腫瘍に薬剤が多く集まっていることが分かります。

オクトレオスキャンの画像検査の実際

オクトレオスキャン検査の実際と注意事項の説明です。

  1. サンドスタチンなどソマトスタチン受容体に作用する薬物による治療を受けている場合は、検査前に一定期間の休薬が望ましいと言われています。治療薬の作用が消えてからでないと、体内のソマトスタチン受容体の状態を正しく診断することはできないと考えるからです。長時間作用型の薬剤の場合、注射から3~4週間空けて検査する方がよいと言われています。主治医とご相談ください。
  2. 本検査に食事制限は一切ありません。予定時間に遅れないようにご来院ください。
  3. 検査では、放射性薬剤を静脈注射します。
  4. 注射4~6時間後に撮影をします。SPECT/CTという機械で、平面画像だけでなく横断画像とCT画像を一緒に撮影します。1時間から1時間30分かかります。これで一日目の検査は終了です。
  5. 翌日、注射24時間後の撮影を同様に1時間から1時間30分かけて行います。画像を確認して終了です。検査終了後、規定の検査料を病院の会計でお支払いください。
  6. 注射後、余分なお薬は腎臓から尿に排泄されます。6時間で50%、24時間で85%が腎臓から排泄されます。また腸管から糞便にも排泄されます。胆道から腸管に2%程度排泄され、24時間以降の画像では胆嚢、腸管が描出されます。余分なお薬の排泄を促進することで、被曝を減らすと共に、バックグラウンドの低い良好な画像を撮影することができます。このため、便秘している場合は、下剤を服用していただき、二日目に来院される前に排便していただくことが望ましいとされています。その他ご不明点につきましては主治医にご相談ください。

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もっと詳しく知りたい方は、以下の参考資料をご覧ください。

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