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生活習慣病
眼科は糖尿病科、腎臓内科、循環器科、神経内科、総合診療科、リハビリテーション科、看護部、薬剤部、臨床検査部、栄養管理室などの生活習慣病関連の各科・各部門と連携し、総合的な診療を行っております。また生活習慣病教室を行っております眼科は「生活習慣病と眼」を担当しております。
生活習慣病教室については「生活習慣病」のページをご覧ください。
糖尿病網膜症
糖尿病網膜症は現在、視覚障害の第2位を占める疾患です。糖尿病網膜症は単純網膜症・増殖前網膜症・増殖網膜症に分類されます。また良性網膜症・悪性網膜症という分類も使われます。単純網膜症=(ニアリーイコール)良性網膜症、増殖前・増殖網膜症=(ニアリーイコール)悪性網膜症です。
単純網膜症(良性網膜症)
網膜出血・網膜白班などがみられます。この時期は内科の治療が主体となり、眼科的には経過観察を行います。例外的に後述の黄斑症が起こった場合は治療が必要となります。良性網膜症という名前がついていますが、網膜症が起こるということは糖尿病はかなり悪化しているということですので注意が必要です。
(右画像:網膜出血、硬性白斑)
増殖前網膜症(悪性網膜症の初期)
フルオレセイン蛍光眼底造影検査で黒くなっている部位は血管が閉塞している無血管野(無灌流域)です。このように網膜症は血管が閉塞しながら悪化していきます。この時期になるとレーザー網膜光凝固術を行い、進行を防止します。
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蛍光眼底造影検査
無血管野(無灌流域) -
網膜光凝固術後の瘢痕
増殖網膜症(悪性網膜症)
増殖という名前がついていますが、増殖するのは血管(新生血管)と膜(増殖膜)です。新生血管は硝子体出血の原因となり、増殖膜は牽引性網膜剥離の原因となります。この時期になりますとレーザー網膜光凝固術に加え、硝子体手術が必要になります。
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蛍光眼底造影検査
新生血管 -
増殖膜(増殖組織)
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硝子体出血
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牽引性網膜剥離
糖尿病黄斑症
黄斑部という網膜の中心部に網膜出血や硬性白斑などが出現すると黄斑浮腫が起こり視力低下をきたします。これは単純網膜症(良性網膜症)の時期からおこることもあります。治療としては硝子体手術やレーザー網膜光凝固術、ステロイド薬の注射などが行われます。
血管新生緑内障
糖尿病網膜症が悪化すると血管新生緑内障が起こります。治療としては網膜症に対するレーザー網膜光凝固術や緑内障手術などが行われますが、この緑内障は治療に抵抗し、失明の重要な原因になります。
その他の眼合併症
糖尿病があると網膜症や緑内障以外にも、角膜症、白内障、視神経症などいろいろな眼の合併症が起こります。
予防
糖尿病になってすぐ眼が悪くなるわけではなく、高血糖が5年、10年、15年と長期間続いて合併症が起きてきます。従って予防は血糖をコントロールすることです。
早期発見
糖尿病網膜症は末期にならないと視力低下や自覚症状が起こらないことも多くみられます。そのため見えにくくなって初めて眼科を受診した時には、かなり進行しており、手術をしても失明したり、失明は免れても視力は回復しないこともあります。従って網膜症がなく、かつ自覚症状がなくとも、年1回は眼科の検査を受けておくことが必要です。
網膜中心静脈閉塞症
網膜中心静脈閉塞症と網膜中心静脈分枝閉塞症があります。糖尿病網膜症と違い急激に発症しますが、検査や治療は糖尿病網膜症とよく似ています。病態に応じて経過観察、網膜光凝固術(レーザー)、硝子体手術などを行います。
網膜中心静脈閉塞症
網膜中心静脈分枝閉塞症