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診療実績

 救急車による搬送患者さんを24時間365日救急科が初期診療に携わります(産婦人科に関わるものは直接診療科が担当します)。内因性疾患は初期診療後に当該診療科に依頼して、敗血症性ショック・重症敗血症などの集中治療を要する疾患、または外傷・中毒・環境障害など外因性のものは救急科がそのまま病棟でも担当するというシステムをとっております。
 現在、年間10,000件超の都内トップクラスの救急搬送患者を受け入れており、このうち3次救急患者は2,000件程度を占めております。約60%が内因性疾患であり、これは東京消防庁の救急搬送患者における急病の割合とほぼ一致しています。
 2016年の病院機能評価において救急医療がS評価を受け、付加機能として救急医療機能も認定されました。2022年の再受審(一般病院3)でも救急医療はS評価を受け、高度・専門機能評価として「救急医療・災害時の医療」を認定されました。更に、2018年度から2022年度まで救命救急センター充実度評価でもS評価を継続して獲得しております。
 2020年度からの新型コロナウイルス感染症蔓延の影響をうけまして、応需率と救急車受入れ件数こそ減少しておりますが、多くの施設が受け入れ制限をして地域救急医療が混乱した中でも、救急搬送困難例や3次救急患者を積極的に受け入れ、東京都や地域の救急医療に貢献しております。

救急科の特徴

  • 24時間365日救急患者の診療は原則として断りません。
  • 地域住民の救急医療ニーズに基づいた診療活動を実践します。
  • 常に世界標準の救急医療を目指します。


診療実績(2023年度)

表1 救急外来受診者数

2023年度救急車・独歩内訳.png
表1に救急外来を受診した総患者数と独歩/救急車来院の割合を示しております。

総数は15,939人で、その内10,138人(64%)が救急車にて来院しておりました。
新型コロナウイルス感染症が蔓延した2020年度から、独歩受診は6,000人程度にまで減少しており、この傾向は2023年度も継続してみられておりました。

 

表2 救急搬送患者の重症度別割合


2023年度重症度.png
表2は救急搬送患者のうち、各重症度別の人数と割合を示しております。
帰宅可能と判断された軽症例が5,051人(50%)、入院が必要と判断された中等症例が4,185人(41%)、生命の危険性が高いと判断された重症例が609人(6%)、生命の危険が切迫している重篤例が293人(3%)でした。


表3 救急搬送患者数と応需率の年度推移

2023年度搬送台数グラフ.png

2023年度(令和5年度)の救急搬送患者数及び応需率は10,138件, 91.1%でした。
また、2次救急と3次救急のそれぞれの内訳は2次救急:8129件, 92.0%、 3次救急:2009件, 87.5%となっております。
新型コロナウイルス感染蔓延により応需困難な時期があったものの、2010年度から13年連続で年間10,000件以上の救急搬送件数を維持しています。

表4 三次救急搬送患者数と応需率の年度推移

2019年度までは三次救急患者の受け入れ人数は1,100人強、応需率は95%前後で推移しておりましたが、新型コロナウウイルス感染の蔓延した2020年度から様相が変化しました。
急増する救急車の受入れ要請に対して必死に対応した結果、応需率はある程度落ち込まざるを得ませんでしたが、受け入れた患者数は2022年度には2,294人と大幅に増えて都内最多となっております。
2023年度も2,009人と3年連続で2,000名を超えています。

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教育・研究実績(2023年度)

Off the Job Trainingとして、専攻医・フェロー向け勉強会や抄読会の実施、救急科ローテーション中の初期研修医向けのレクチャー、院内の職員向けBLS/ICLSの開催を行っています。外傷教育にも力を入れており、JPTEC/JATEC/JETECコースを定期的に開催しております。また、院内にとどまらず、都内の4病院合同での症例検討や意見交換を月一回活発に行っています。
2022年1月にはECMOセンターとして組織化し、ECMOの臨床・教育・研究にも力を入れています。

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    ELSO ECMOセンター認定証

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    ECMOシミュレーション教育の様子

2023年度には以下の研究を行いました。

  • 頻脈を伴う敗血症患者に対するランジオロール持続静脈内投与量と心拍数の関連
  • 救急搬送された患者の緊急度判定をReverse Shock Index multiplied by Glasgow Coma Scale score (rSIG)で評価する単施設後ろ向き研究
  • ECMOに関する国際レジストリ研究(The ELSO Registry)
  • 日本外傷データバンクへの外傷患者登録と登録データを用いた臨床研究
  • 外傷における包括期長期予後データベースの構築とテーラーメイド型退院後医療の確立~中等から重症外傷疾患に対する病院生存退院後自然史、QOL、社会復帰に関する多施設共同研究~
  • てんかん重積に対するレベチラセタムとホスフェニトインの有効性の比較:多施設前向き無作為非盲検化比較試験
  • 外傷における包括的長期予後データベースの構築とテーラーメイド型退院後医療の確立~中等から重症外傷疾患に対する病院生存退院後の自然史、QOL、社会復帰に関する多施設共同研究~
  • FilmArray呼吸器パネル2.1検査後の余剰検体の収集保管
  • 末梢静脈確保が困難な患者における超音波ガイド下穿刺法の有効性を検討する無作為化非盲検比較試験
  • 心停止後患者に対する初期制限酸素療法:多施設共同stepped wedgeクラスターランダム化比較試験