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定位放射線治療(SRT/SBRT)

定位放射線治療

定位放射線治療/体幹部定位放射線治療は、がん病巣に対してあらゆる方向から放射線を照射することにより、線量を集中させて治療を行う方法です。そのため、一度に高線量の放射線を病巣に対して照射することができます。放射線を集中的に照射するために、治療部位の位置合わせをより精密に行う必要があります。治療中は体全体を容易に動かないように固定するなどの対策を講じることにより、より正確な照射が可能となります。
 

脳腫瘍に対する定位放射線治療(Stereotactic Radiationteraphy)

頭部の定位放射線治療は、治療を行う際の位置合わせの誤差が1㎜以内という高い精度を必要としています。そのため、治療時は頭部の動きを抑えるために専用の「シェル」という型を作成し、さらに歯のかみ合わせを利用して固定精度を高める方法を用いています。また、画像誘導技術を用いて、ミリメートル単位での治療部位の正確な位置合わせを行っています。当科における頭部の定位放射線治療は、腫瘍の大きさが直径3cm以下の原発性脳腫瘍や転移性脳腫瘍、脳動静脈奇形などに対して施行しています。1回あたりの治療時間は、通常の治療と比べて、精度の高い位置合わせが必要であることや、多方向から照射を行うため、20分~40分程度となります。

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肺がん、肝臓がんに対する体幹部定位放射線治療(Stereotactic Body Radio Therapy)

肺がんや肝がんなど体幹部では、脳の定位放射線治療に比べて体位固定が難しいことや、呼吸などの生理的運動によりがん病巣が動くため、放射線の狙いを定めることが困難です。体位固定には、頭部から下肢におよぶ患者さん専用固定(補助)具を作成し、治療計画CTから治療までその専用固定(補助)具に寝た状態で実施します。また、呼吸状態を観察し、一定のタイミング(息を吸っている時だけ等)のみ放射線の照射を行う「呼吸同期放射線治療」を組み合わせることにより、肺がんや肝がんに対する高精度な治療を実現します。定位放射線治療の適応となる腫瘍の大きさは、直径が5cm以下の腫瘍です。1回あたりの治療時間は、通常の治療に対して、より精度の高い位置合わせが必要で、多方向から照射すること、加えて呼吸状態に合わせて照射するため0.5~1時間程度です。

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(呼吸停止法または呼吸同期法)↓

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当院では、治療中に呼吸状況の管理が必要な体幹部定位放射線治療においては、専用の呼吸管理システムを用いて治療を行います(左図)。治療スタッフは患者さんの呼吸状態を認識し、息止めの指示を行います。