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2016年度ネパール派遣報告
国立国際医療研究センターリハビリテーション科は、2015年度より、
JIMTEF(公益財団法人 国際医療技術財団)が実施する、
JICA草の根技術協力事業
ネパール・カトマンズ盆地における呼吸器疾患患者の早期社会復帰支援に向けての
取り組み ― 呼吸リハビリテーションの普及 ―
に協力しています。事業の概要は、下記のJICAのホームページをご参照ください。
http://www.jica.go.jp/partner/kusanone/partner/nep_18.html
当科のスタッフが、その第二次派遣に参加したので報告記をまとめました。
事業全体の報告書については、JIMTEFのサイト等での報告等をお待ちください。
ネパール・カトマンズ盆地における呼吸器疾患患者の早期社会復帰支援に向けての取り組み
―呼吸リハビリテーションの普及―第四次派遣参加報告記
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院
リハビリテーション科 理学療法士 山下祥平
1 派遣期間
2016年4月23日~5月1日
2 主な活動
- (活動1-3)診療所の医療スタッフに呼吸リハビリテーション研修を行う。
- (活動1-5)ネパール理学療法士協会会員に呼吸リハ研修を行う。
- (活動3-2)地域住民を対象にした啓発セミナーを行う。
- (活動3-1)前回実施の女性保健ボランティア研修のモニタリングを行う。
- (その他)次回の活動計画を摺合せする。
3 活動報告
4月24日
本日から第4次派遣の活動が開始となりました。インドとの国境問題も解消され、燃料不足も解消されつつある状況です。活動初日は、カウンターパートであるSOLID-NEPAL(写真1)・トリプバン大学教育病院の方々との打ち合わせ(写真2・3)を実施しました。日本チームがいない間の進行状況や今後に関して会議をしました。また夕方には現地で他のJICA草の根活動をされている方と意見交換を行い大変参考になりました(写真4)。そして4/24は、ネパールに大地震が発生してから1年という特別な日です。復興もまだまだ進んでいない状況下で、我々の活動を受け入れてくださっているネパールの方々に感謝し、今後もプロジェクトを遂行していきます。
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写真1
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写真2
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写真3
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写真4
4月25日
2か所のHealth postのモニタリング・見学、患者様宅訪問、ネパール保健人口省(MOHP)への表敬訪問をいたしました。
Health postでは研修を受けたHealth Workerさんたちが患者さんたちに指導する場面を見学することができました。(図5)我々が研修したことが徐々に住民の方々に伝わっていることに感謝・感激でした。またMOHPでは、事務次官にお会いし本プロジェクトの説明等をしました。(図6)夜には、小川大使より公邸にお招きいただき進捗報告と意見交換を行いました。(図7)充実した活動をすることができました。
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写真5
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写真6
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写真7
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4月26日、27日
Health post研修を2日間の日程で実施しました。非常に活気のある研修となり、途中では即興で禁煙や講義内容を歌詞に入れた歌を歌っていただくなど、非常に盛り上がりました。また2日目は前日に教えたことをWorkerさんのご家族などに教えたりと早速使っていただいたとのことで嬉しい限りです。講義ではWorkerさんに指導練習を実施するなど有意義な研修となりました。2日間楽しく意欲的に臨んでいただいたHealth Workerさんに感謝します。(図8~11)
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写真8
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写真9
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写真10
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写真11
4月28日
市民公開講座を実施しました。(図12)100名以上の地域住民の方々にお集まりいただき研修をさせていただきました。あまり日常生活の中で研修を受けたことのない方々ですが、意欲的に研修に臨んでいただき感謝です。より地域住民に呼吸リハビリテーションを届け、快適な生活を送っていただくよう今後も活動していきます。講座終了後には、JICAネパール事務所の佐久間所長に活動報告をいたしました。(図13)
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写真12
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写真13
4月29日
6日目は、患者さん宅に訪問しモニタリングを実施しました。前日に市民公開講座に来ていただいた方は早速自宅でも呼吸法を実践していました。また路上でも呼吸苦を呈している方が多く見受けられ、ネパールでは重要度の高い疾患であることが再確認できました。大地震から1年経過しても、まだまだがれきが残っている箇所も多く、復興にはまだまだ時間を要す状況です。(図14~18)
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写真14
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写真15
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写真16
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写真17
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写真18
4月30日
活動最終日は、啓発活動の一環としてBaktapul FMにて生放送を行いました。その後は、ネパールの理学療法士(PT)向けに呼吸リハビリテーション研修を行いました。(図19~22)36名のPTにお集まりいただき、本プロジェクトの概要説明・急性期呼吸リハビリテーション・フィジカルアセスメント等を実施しました。ネパールでは、まだまだ呼吸リハビリテーションが根付いていないため、少しでも呼吸リハビリの普及の一助となればうれしい限りです。
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写真19
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写真20
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写真21
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写真22
4 結語
本プロジェクトも2年目となりました。今回は研修だけでなく、地域住民の方々とコミュニケーションをとれる時間を多く取ることができました。地域住民への指導風景等の見学を通し、この1年で地域住民の方々に呼吸リハビリテーションを届けることができた嬉しさと同時に課題も発見できました。今回の課題を次回以降の派遣に生かしていきたいと考えています。