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上部消化管がんとサルコペニア
1. サルコペニアとは
サルコペニアと呼ばれる骨格筋・筋肉(sarco)が減少(penia)した病態が近年注目されています。当初は加齢に伴う病態として提唱されましたが、現在では「骨格筋量の低下と筋力あるいは身体能力の低下を併せ持つ病態」と定義されています。
骨格筋量は、主にCT/MRIといった画像解析、体組成計による生体電気インピーダンス解析で評価可能であり当科でもがん患者さんを中心に測定しております。
画像:CTでの骨格筋量の測定の実際です。黄色で示されている箇所が骨格筋となります。
2. 食道がん、胃がんとサルコペニア
食道がんや胃がんの患者さんの場合は術前から栄養状態が悪くなっている方も多く、サルコペニアは様々な病態・術式における予後不良因子であることが報告されています。当院での検討でも、サルコペニアは、食道がんに対する食道切除術後の術後肺炎など呼吸器合併症の発生に深く影響を及ぼし、また高齢者になるほどその影響が強い1)ことが明らかになりました。
そのため当科では、積極的な栄養面でのサポートや術前からのリハビリテーションの導入をチーム医療として積極的に行っております。
文献
1) Soma D, et al: Dis Esophagus. E pub, 2018.