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LECS(腹腔鏡内視鏡合同胃局所切除術)について
腹腔鏡内視鏡合同胃局所切除術(Laparoscopy Endoscopy Cooperative Surgery; LECS)
胃粘膜下腫瘍(胃の粘膜の下にできる腫瘍)を対象に行っている手術です。胃粘膜下腫瘍には、消化管間葉系腫瘍といわれるGIST、平滑筋腫、神経鞘腫などの複数の疾患があります。その中で、術前にGISTと診断された腫瘍や、すでに大きくなっている腫瘍が治療の対象となります。癌と異なり、リンパ節転移の可能性が少ない特徴がある腫瘍に対して行っています。
この手術では胃の切除範囲は腫瘍のある部分だけの切除(局所切除)となります。この大きな特徴は、腹腔鏡手術の際に、上部消化管内視鏡(胃カメラ)を併用することで胃の内側から腫瘍の切除範囲を正確に見極めることができる点です。この手法を用いることにより胃壁の切除を最小限にとどめることがでるため、可能な限り胃を大きく残すことができます。
この手術は全身麻酔下で行い、腹部に5-12mmのポートと呼ばれる器具を挿入し、そこから腹腔鏡や手術の道具を入れて胃の一部を切除します。手術時間は病状により差はありますが、およそ2時間程度です。出血はほとんどありません。術後の入院期間は患者さんの状態によって異なりますが、およそ1週間から10日程度です。当院では日本内視鏡外科学会の技術認定医の執刀もしくは指導のもと、熟練した内科医とともに本術式を行っています。
胃粘膜下腫瘍の中でも腫瘍の位置や発育の仕方、大きさによって術式が異なることがありますので詳しくは主治医にお尋ねください。