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診療実績
診療科紹介
腎臓は体液の恒常性維持の中心的役割を担い、内分泌臓器として造血やカルシウム代謝にも関与する重要な臓器です。最近は糖尿病・高血圧などの生活習慣病の増加を背景とした慢性腎臓病(CKD : Chronic Kidney Disease)の増加が社会的にも問題になっています。さらにCKDでは、心臓病や脳卒中など心血管疾患の合併が多く、いかに治療・予防するかが喫緊の課題です。また、腎臓の異常は全身の疾患と密接に関連することも多く、腎臓内科医は全身をトータルに管理する力量が問われます。
当科がカバーすべき分野は、CKDをはじめとする腎炎・ネフローゼ症候群・腎不全(急性・慢性)・体液異常(電解質異常・酸塩基平衡異常・高血圧など)・腎代替療法(血液透析・腹膜透析・腎移植)など多岐にわたります。また、身体面の治療を適切に行うことのみならず、社会生活面・精神心理面を総合的に支援できるように心がけています。このため、院内各診療科医師と綿密に連携をとり、栄養士・臨床工学技士・薬剤師・看護師・ソーシャルワーカーとともにチーム医療を推進し、保存期腎不全から腎代替療法までを一連の流れで診療しています。
外来腹膜透析外来に加え、全ての血液浄化に対応可能です。他科入院血液透析患者はもちろんのこと、持続的腎代替療法(CRRT : Continuous Renal Replacement Therapy)が多いことが当院の特徴で、積極的に受け入れを行っています。コロナ診療については、内科チームとして入院患者診療に加え、重症コロナ透析患者も積極的に対応しています。また、新規治療法の開発にも関わり、中等症以上のCOVID-19肺炎におけるPMX療法は一定の効果が認められ、COVID-19診療の手引きで採用されたほか、国内外に認知されるようになりました。
診療実績
概要
毎日の外来診療(午前毎日2診、月水金午後1診)に加え、コロナによる病棟制限がある中で約20名前後の入院患者数維持できるよう、積極的な入退院調整を行ってきました。特に保存期腎臓病患者、急性腎機能障害の患者に積極的に腎生検を行ない、腎生検数はほぼ倍増しました。
また、他科入院血液透析患者の維持透析に加え、外来腹膜透析や各種血液浄化療法にも対応を行いました。ほかにも、数は増えてはいませんが、保存期腎不全から腎代替療法までを一連の流れで安全に透析導入を行っています。
特に当院の置かれた状況から、院内各科とも協力しながら、救命が必要な重症腎機能障害患者の持続血液濾過透析療法が多く、特に2021年度は、感染症で隔離が必要な患者に対する出張透析も積極的に対応しました。
入院診療・コンサルテーション
2021年度は合計414名の腎臓内科入院患者の診療を行いました。 対象疾患については診療のご案内を参照ください。 また他科入院患者に対するコンサルテーションもにも幅広く対応しております。
当院は日本腎臓学会認定研修施設、日本高血圧学会認定施設です。
入院患者数 | 腎生検数 | 血液透析 件数 |
血液浄化 件数 |
透析導入 件数 |
腹膜透析 患者数 |
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414名 | 45 | 2,414 | 279 | 63 (うち離脱可23) |
5 |
内シャント件数:41件*、人工血管シャント件数:15件*、長期留置型カテーテル挿入術件数:6件*
(*心臓血管外科の協力による)
外来診療
2021年度、外来では9,405名(再診)、149名(新患)の診療にあたりました(腎臓内科診療について)。
外来診療については外来についてをご参照ください。また、当科初診のご希望のある患者さんは初診の方へをご覧ください。
セカンドオピニオンも受け付けております。
外来患者数 (再診) |
外来患者数 (新患) |
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9,405名 | 149名 |
血液透析・腹膜透析
2021年度の導入患者は血液透析 63件でした。2,414件の入院患者の血液透析の治療を行いました。9名のドクター(透析専門医6名)、5名のナースおよび3名のMEで治療を行っています。(なお、当院で血液透析導入となった患者さんは、原則として自宅・職場近隣の透析施設をご紹介させていただき、治療を継続していただいております。)腹膜透析認定指導看護師2名、腎臓病療養指導士が2名在籍しております。当院は日本透析医学会認定施設です。
PD室での腹膜透析外来
集中治療室での急性血液浄化療法
心臓外科術後、多臓器不全患者に対する持続緩徐式血液透析濾過(CRRT)をはじめとする特殊血液浄化療法の需要が高まっております。
当院は日本急性血液浄化学会認定施設となっております。
血漿交換などのアフェレシス療法
多種多様な疾患に対する血漿交換を代表とするアフェレシス療法も積極的に行なっております。
当院はアフェレシス学会認定施設です。
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ICUでの血漿交換療法
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腹水濾過濃縮再静注法(CART)
委員会活動
院外の各種委員会活動等は、以下の通りです。
- 東京都透析医会. 東京都区部災害時透析医療ネットワーク区西部副ブロック長(髙野)
- 令和2年度厚生労働科学特別研究事業「腎臓病・透析患者におけるCOVID-19 対策の全国調査および易感染性・重症化因子の後方視的解析」国立国際医療研究センター病院.(片桐・鈴木み)
- 日本腎臓学会. 教育・専門医制度委員会委員(片桐)
- 日本腎臓学会. 第二次五か年計画「人材育成・次世代への継承」項作成委員(片桐)
- 日本腎臓学会 CKDガイドライン2023 作成委員会委員(片桐)
- 日本透析医会 COVID-19関連論文紹介プロジェクト委員(片桐)
また院内では、透析では当科を中心に、透析機器安全管理委員会を設置している他、診療運営委員会(髙野)、病棟運営委員会(髙野・片桐)、高機能病床運営委員会(髙野)、栄養NST委員会(髙野)、内科実務者ミーティング(片桐)、臨床研究者育成部門会議(片桐)、診療録等管理委員会(鈴木み)などに、委員として定時参加しています。
定期カンファレンスは以下の通りです。
- 腎生検カンファランス(病理と合同) 2ヵ月に1回水曜日(感染拡大のため休止中)
- 抄読会 毎週火曜日
- 透析カンファランス 毎週火曜日
- 臨床カンファランス/科長回診 毎週木曜日
国際医療協力
- 「マレーシアにおける透析医療の技術革新と臨床工学技士制度の導入」令和3年度 医療技術等国際展開推進事業 (片桐)