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診療実績

診療科紹介

循環器内科は、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患や動脈硬化症、各種不整脈、弁膜症、心筋症、心不全、高血圧、大動脈疾患、末梢動脈疾患など、受け持つ領域は多岐にわたります。急性疾患では迅速な対応が必要であり、緊急治療ができないと命を落とす場合もあります。また慢性期の患者さんであれば、元気に過ごせるよう、きめ細かい管理が要求されます。

循環器内科は、医長2人、医師5人、フェロー5人、レジデント2人の14人で臨床・研究に当たっています。狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患や動脈硬化症、不整脈、弁膜症、心筋症、心不全、高血圧、大動脈疾患、末梢動脈疾患など、受け持つ疾患は多岐にわたります。

当院の循環器内科の特徴として、高齢者の心不全患者、幅広い年齢層の心血管系疾患と外国籍の患者さんが挙げられます。また、救急病院という側面から緊急処置を要する患者も多く来院し迅速な対応が必要です。当センターの役割として新型コロナウイルス感染症の初期から、感染者の緊急心臓カテーテル検査と治療、一時的対外式ペースメーカー植込みなどを行なっています。慢性疾患であれば、長く元気で生活できるように、血圧、脈拍数、体重、LDLコレステロールなどの管理を行なっています。

安心して家族を任せられる医療を行うことを理念とし、総合的・専門的な医療を皆様に提供するために日々研鑽しています。

診療実績

概要

2020年度からCOVID-19対応が始まり、翻弄された2年間でした。他の医療機関と同様に患者数や検査・治療件数の減少が顕著に認められました。COVID-19感染を恐れ、重篤な心疾患があるのにも関わらず、医療機関の受診を控えている患者が増えたと考えられています。実際に心筋梗塞を発症して自宅で我慢し状態が悪化した心不全や重症の肺血栓塞栓症といった通常ではあまり見られない患者さんに対峙することが増えました。特定機能・重点医療機関である当センターでは早期からCOVID-19感染に対する予防策や対処方法が確立され、循環器内科における対策方法をマニュアル化し、遅滞ない治療が行えるようにいたしました。

病院からの要請もあり、循環器スタッフのCOVID-19病棟への派遣やワクチン接種といった内科業務への参画を積極的に行いました。

虚血性心疾患

虚血性心疾患と言われる冠動脈疾患の中でも急性心筋梗塞では、病院到着から90分以内の早期再灌流が求められます。東京都CCUネットワーク参画施設でもあり、積極対応を行っています。また、冠動脈CT、心臓シンチグラムといった画像検査を駆使し、診断・治療方針の決定を行っています。

不整脈

不整脈疾患に対して電気生理検査を行い適切な薬物治療・カテーテルアブレーション・ペースメーカ植込み・植込み型除細動器(ICD)といった治療を決定しています。2020年度からは心房細動治療などに対するカテーテルアブレーションを定時で施行するようになり、66件(2021年度)と増加しました。また、ペースメーカー植込み後の患者さん対し遠隔モニタリングを導入し管理を行っています。

心不全

心不全を来す病態は様々です。個々の患者さんの病態解析を行い、適正な治療導入を行っています。最近は、新規の心不全治療薬の登場もあり、これらを駆使して心不全治療にあたっています。また、在宅酸素療法(HOT/ASV)、睡眠時無呼吸に対する陽圧換気(CPAP)、さらには両心室ペーシングといったデバイス治療にも対応しています。

末梢血管治療

昨今の医療状況の中で末梢動脈への治療の需要が高まってきています。これら動脈への治療をEVT:Endovascular Treatmentと言います。NCGMでは糖尿病科・皮膚科・リハビリ科といった他科とも連携し対応を行っています。

心臓リハビリ

心不全、心筋梗塞、狭心症などの患者さんは、心臓の働きが低下し、また安静生活を続けたことによって運動能力やからだの調節の働きも低下しています。また、どの程度活動しても大丈夫なのかが分からないために不安もあります。これらに対して心臓リハビリで適切な運動療法を行うことが役に立ちます。専門知識を持った医師、理学療法士、看護師、薬剤師、臨床心理士、検査技師、作業療法士、健康運動指導士など多くの専門医療職がかかわって、状態に応じた効果的なリハビリプログラムを実施しています。

手術実績

(2021年4月~2022年3月)

  2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
緊急冠動脈形成術 78 76 43 54
待機的冠動脈形成術 178 249 202 200
補助循環IABP 18 23 14 36
補助循環PCPS 3 8 10 12
末梢動脈治療 76 89 71 66
下大静脈フィルター 6 4 4 3
恒久的ペースメーカー
植え込み術
71 63 84 81
カテーテルアブレーション 13 24 55 66

検査件数

  2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
運動負荷心電図 1195 1384 1026 1116
ホルター心電図検査 1140 1112 1059 1090
心臓超音波検査(経胸壁) 5953 7934 7245 7419
心臓超音波検査(経食道) 73 89 73 101
心筋シンチグラフィー(安静時) 73 69 84 94
心筋シンチグラフィー(運動負荷) 203 189 140 137
心筋シンチグラフィー(薬剤負荷) 373 316 227 346
肺血流シンチグラフィー 23 21 21 19
心臓PET 68 50 71 66
冠動脈CT 605 630 528 596
大血管CT 556 503 450 361
心臓MRI 63 46 25 32
冠動脈造影検査 587 683 640 610
電気生理学的検査 24 19 5 14

入院・外来実績

  2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
年間入院患者数 1167 1316 1261 1227
平均入院日数 11.2 9.1 9.1 10.2
1日平均外来患者数 111.5 106.1 86.9 80.0
年間新患患者数 698 651 520 567

活動(委員会・カンファレンス)

院内

  • バスキュラーボード
  • FCC (Foot Care Club) 閉塞性動脈硬化症検討会
  • キャンサーボード (腫瘍循環器)
  

研究

  • COVID-19 Registry症例の循環器疾患合併と関連因子の後ろ向き観察研究
  • COVID-19感染における肺動脈径大動脈径比の予後予測能の後ろ向き観察研究
  • COVID-19回復者における心筋ストレインと血液マーカーの後ろ向き観察研究
  • HIV感染血友病における虚血性心疾患のスクリーニングとフォローアップ研究
  • HIV感染者における虚血性心疾患のスクリーニング研究
  • 脂質異常症の遺伝子解析研究
  • 造影剤アレルギーに関わる遺伝的要因の研究
  • 肺高血圧症における心エコーの有用性の研究
  • 糖尿病マーカー1,5-Anhydro-D-glucitol(1,5-AG)と冠動脈疾患の研究
  • 院外心停止患者における心電図のaVR波形の有用性の研究
  • 心臓アミロイドーシス、サルコイドーシスにおける核医学の有用性の研究
  • 免疫チェックポイント阻害薬の副作用と動脈硬化進展の関連性の研究

その他

  • 心臓血管外科、脳神経外科とともにハイブリッド手術室の開設準備を行っています。
  • カテーテルアブレーション適応のある不整脈患者の増加のため、カテーテルアブレーションの件数を増やして行きます。