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診療のご案内

入院診療について

入院患者さんに対しては、循環器内科医師・リハビリテーション科医師・看護師・薬剤師、ソーシャルワーカーを含むチームによる診療を行っており、週3回のカンファレンスと回診にて、一人一人の患者さんに適した診断、治療、退院後の診療などの方針を決定しています。基本的に日本循環器学会が作成、公表している循環器病ガイドラインに基づいた高度で先進的な診療を行っています。

診療のご紹介

冠動脈疾患の診断・治療

急性心筋梗塞と不安定狭心症の急性冠症候群は早期診断・早期治療が重要です。心血管インターベンション学会専門医・指導医である原久男医長を中心に心臓カテーテルによる診断と治療を迅速に行っており、最新の冠動脈カテーテルインターベンションの技術(血管内超音波、ステント、ロータブレーター、薬剤溶出性バルーン)と心保護装置(IABP、PCPS)を駆使して24時間体制で治療に当たっています。

慢性冠動脈疾患に対しては負荷心電図、負荷心筋血流シンチグラフィ、冠動脈CTにより虚血性心疾患を疑い、適切な薬物治療やカテーテルによる診断と治療を行っています。

末梢動脈疾患の診断・治療

近年は高齢化、喫煙、高血圧、糖尿病、脂質異常症により、下肢などの末梢動脈疾患が増えています。血圧脈波伝播速度検査、造影CT、MRIなどで疑い、カテーテルで診断、治療を行なっています。重症な場合は、糖尿病内分泌代謝科、皮膚科、形成外科、リハビリテーション科と相談し治療を進めていきます。

不整脈診断・治療

不整脈の診断法として、体表面誘導心電図、ホルター心電図、運動負荷心電図、加算平均心電図、T波変動解析(TWA)、電気生理学検査(EPS)、植え込み型心電ループレコーダーなど、殆どあらゆる検査が可能であり、症例に応じて幅広く対応しています。

治療面としては、薬物に加えて、徐脈に対するペースメーカー、リードレスペースメーカー、心房細動、発作性上室性頻拍などに対するカテーテル・アブレーションを行い、重症心不全患者に対する心周期同期療法(CRT)、致死性不整脈に対する植え込み型除細動器(ICD)などにも対応しています。

高齢化とともに増加している心房細動に対しては、腎機能、体重などに応じて、抗凝固療法や心拍コントロールといった薬物療法にも取り組んでいます。

心不全の基礎疾患の診断・治療

大動脈弁狭窄症、僧帽弁逆流症、高血圧性心疾患、虚血性心筋症、2次性心筋症、拡張型心筋症、肥大型心筋症、心房細動、徐脈性不整脈などを原因とする心不全の、慢性期における外来診療と急性増悪時における入院治療を行っております。呼吸器疾患、慢性腎臓病、感染症、認知症などの合併症も多くなりますが、入院ではカンファレンスで検討し、最適な治療とともに服薬コンプライアンスと生活習慣を改善し、心不全入院の再発防止を目標に掲げています。

新薬の治験などにも積極的に参加しており、常に新しい治療法に接する機会を得ています。治験に参加希望の方はお問い合わせください。

臨床研究では当センターの特色を生かして、血友病における虚血性心疾患、HIV感染と動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病と動脈硬化の早期診断と介入などの研究にも取り組んでいます。

肺塞栓症/深部静脈血栓症の基礎疾患の診断・治療

新型コロナによる自粛もあり、運動量が低下し、下肢の深部静脈血栓症から肺塞栓症を発症する事が増えています。血液検査、心エコー、造影CT、下肢静脈エコーにより、診断をつけ、軽症から中等症では外来で経口抗凝固薬による治療を行い、重症では入院で薬剤の点滴、酸素投与、PCPS(ECMO)などの補助循環装置を用いて治療します。

新しい取り組み

肺高血圧症

息切れなどの症状の場合、心臓には問題がなくても、「肺高血圧症」という病気が隠れている可能性があります。 循環器内科では心エコーやCT、シンチグラフィー、カテーテル検査などで診断し、適切な薬剤など治療法を決定します。

肺高血圧症の原因のひとつに肺塞栓症が慢性化して起きる慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)という病気があります。肺動脈に器質化した血栓が付着し血流を阻害して肺血管抵抗を上昇させ低酸素血症をひきおこします。薬剤治療に加え、カテーテルを用いたバルーン肺動脈形成術(BPA, balloon pulmonary angioplasty)という治療法を行なっております。

心臓リハビリテーション

冠動脈疾患(急性心筋梗塞や狭心症)、心大血管外科手術後、および心不全など心臓病の方に、専門スタッフによる心臓リハビリテーションを行っています。心臓リハビリテーションとは、医師、看護師、理学療法士など多くの医療専門職が集まり、低下した体力の回復・心臓病の再発予防・精神面(自信)の向上などを目指したチームによるリハビリテーション指導のことです。

運動だけでなく、栄養面やお薬や生活に関する指導、カウンセリングなど、快適で活動的な生活を送っていただくためプログラムとなっております。積極的にご参加ください。

検査の紹介

最新の心臓CT・MRI

当院では、最新のCT装置とMRI装置を駆使し診療にあたっています。CT装置は、キヤノンメディカルの320列面検出器を装備したAquilion ONE、シーメンス社製の2管球を装備した128列検出器(ガントリー回転速度0.28秒/1回転)を装備したSOMATOM Definition Flash、GE社製のガーネットを用いた高分解能検出器を装備したDiscovery CT 750HDの3台にて心臓検査を行っております。Aquilion ONEでは寝台が移動することがなく心臓検査が可能となりました。SOMATOM Definition Flashでは心拍数を65以下に管理できれば1ミリシーベルト前後の低被爆で冠動脈造影を行うことができます。Discovery CT 750HDの検出器は64列ですが心拍数が管理されていればもっとも高分解能な画像を得ることができます。それぞれの装置の特徴を生かし、患者さんの状態に応じて、よりきめの細かい対応が可能で、低被爆で良質な画像を得ることを目指しています。

CT検査はスクリーニングとして有用で、冠動脈に狭窄が疑われる場合には心臓核医学検査や冠動脈造影を行っています。検査結果の十分な検討後に、患者さんのQOLや生命予後を改善するための薬物療法や冠動脈インターベンションあるいは冠動脈バイパス手術を選択するという流れになります。

CTでは造影剤が必要ですが、造影剤を使用しないで冠動脈病変を評価しようとする試みが非造影の冠動脈MR angiographyです。32チャンネルコイルを装備した1.5T装置(シーメンス、東芝メディカル)により行っています。保険診療が認められており、腎臓が悪い患者さんや造影剤にアレルギーがある患者さんにはよい適応ですが、撮影時間が長く、解像度が造影CTより低いため、この検査が全例に良いという訳ではありません。慢性腎臓病があったり、造影剤アレルギーのある場合には負荷心筋血流シンチグラフィが勧められます。

心臓MRI検査でガドリニウム造影剤による心筋の遅延造影を見る検査があります。左室収縮能低下の原因が冠動脈疾患であるのか、心筋炎や心筋症であるのかを鑑別する事ができます。心筋の内腔側の造影が強い場合には冠動脈疾患が疑われますが、心筋の中層のみが造影される場合には冠動脈疾患は否定的です。

当院では、低侵襲の造影CTおよびMRIを診断に活用しております。心電図異常や胸痛があり、心臓の精査をご希望の場合には是非受診してください。