ロボット支援支援肺悪性腫瘍手術・縦隔腫瘍切除術について

当科では、DaVinci Surgical System®（ダヴィンチ）を用いたロボット支援肺悪性腫瘍手術・縦隔腫瘍切除術を行っております。ロボット支援下手術というのは、ロボットを用いて行う胸腔鏡手術です。患者さんの中には、ロボットが医師の代わりに手術を行うイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、正確には、医師がロボットを操作して胸腔鏡手術を行うのがロボット支援下手術です。
ダヴィンチの仕組みは、①患者さんに直接触れる「ペイシェントカート」、②医師が操作を行う「サージョンコンソール」、③手術に必要な機材と手術スタッフが共有できるモニターがついた「ビジョンカート」で成り立っています 。

ロボット支援下手術の利点として、通常の胸腔鏡手術に比べて手振れが少なくなり、10倍視野の3Dの画面を通してより精緻な視野を確保できることなどが挙げられます。また、通常の胸腔鏡手術で使用する手術器具は直線的であるために腹腔内での操作が制限される場面もありましたが、ダヴィンチの手術器具には関節があるためより細かい動きが可能となっています。これらの特徴は、癌を身体から安全かつ確実に取り除くために非常に重要なポイントです。実際に、過去の国内の臨床試験では、ロボット支援下手術は従来の胸腔鏡手術より合併症が少ないことが報告されています。