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乳腺・腫瘍内科での研修を希望される皆さんへ
(臨床研修医、内科専攻医(レジデント)、乳腺・腫瘍内科フェロー)

募集要項・応募方法については医療教育部門のホームページをご参照ください。
(http://www.hosp.ncgm.go.jp/dce/recruit_guide.html)

研修の特徴

「腫瘍内科」とは、がんの薬物療法を専門的に扱い、外科、放射線科、緩和ケア科、看護部、薬剤部、がん相談支援センター、臨床ゲノム科等、がんの患者さんの治療や暮らしの支援に関連する様々な診療科や部門と連携して、おひとりおひとりのがん医療をコーディネートする診療科です。

がん医療は臨床と研究との両輪で、日進月歩で進歩しています。NCGMの研修では、研修医・レジデントのうちから、がん研究がどのように行われているかに触れることができます。EBMを実践する上で基本的な力となる論文の批判的吟味について、トップジャーナルへのLetter to the Editorの執筆を通じて身につけていただきます。採用されれば業績にもなります。フェローは自身で見つけたクリニカルクエスチョンを、臨床研究やトランスレーショナル研究として実施できるPhysician Researcherとなることが目標です。臨床では、積極的に診療に参加していただきながら、がん診療の基本を理解し、患者さんとともに治療方針を決め、有害事象を管理しながら安全に薬物療法を行うことができるようにします。同時に、研究の立案、計画、遂行、学会発表、論文化のプロセスを指導し、自ら研究計画を作成できる腫瘍内科医を育成します。専門医取得はもちろんのこと、連携大学院での学位取得も推奨しています。臨床、研究いずれの場面でも、専門領域を超えた多職種連携が重要であり、乳腺・腫瘍内科の研修を通して、がんのチーム医療に必要なリーダーシップやそのほかのスキルを身に着けることができます。

がんは国民の二分の一が罹患する疾患です。ぜひ、当科で研修していただき、新しいエビデンスを作っていきましょう!!

研修内容

  • 経験できる疾患
    乳がん、肉腫、原発不明がん、卵巣がん、子宮体がん、子宮頸がん、遺伝性腫瘍
  • 学べる知識
    エビデンスに基づく治療選択、化学療法の有害事象管理、がんゲノム医療、チーム医療、意思決定支援、AYA(思春期・若年)がんの医療、高齢者のがん医療、緩和医療、がんの臨床試験・治験、論文の批判的吟味、臨床研究方法論、臨床倫理、研究倫理、リーダーシップ、コミュニケーションスキル
  • 医学部学生

    夏休みや春休み等を利用した見学が可能です。クリニカルクラークシップの受け入れも可能です。カンファレンスや外来見学、病棟見学を通じてがん診療の面白さを体感していただきます。当科のスタッフやレジデント・フェローから、実際の業務の面白さや大変さ、腫瘍内科医としてのキャリアについて話を聞いていただくことができます。

  • 初期研修医

    選択科目として選んでいただきます。1回のローテーションで約1ヶ月です。スタッフやレジデント・フェローとともに病棟管理、外来見学を行い、スタッフによるレクチャーを通してがん診療の基本的な考え方を学んでいただきます。研修内容についてはご希望に沿って柔軟に対応いたします。臨床研修や抄読会等さまざまな場面で医学論文の批判的吟味について身につけていただき、ハイ・インパクトジャーナルへのLetter to the Editor投稿を目指していただきます。

レジデント(内科専攻医)

内科専門研修の一分野としてレジデント(内科専攻医)を募集いたします。募集人数については内科学会との調整により決定されます。詳細については医療教育部門へお問い合わせください。将来がん診療に携わりたいという方のご応募をお待ちしております。

乳腺・腫瘍内科ローテーション中は入院診療を病棟担当医として主体的に行っていただきます。外来についてもローテーション期間やご希望によって、初診の診療を行うなどより積極的に関わっていただきます。

研究面では3年間で少なくとも1つ以上の研究をスタッフとともに行い、少なくとも1回以上海外学会での発表を行っていただきます。研究テーマについてはご希望を伺いながらスタッフとともに決めていきましょう。連携大学院への入学も可能です。国際共同研究、国内多施設研究、政策研究などの会議への積極的な参加もお待ちしています。

レジデント期間中は、他科のローテーションについても推奨しています。腫瘍内科はがんを扱う総合内科です。当院には様々な合併症を持ったがん患者さんがいらっしゃいます。また、薬物療法により様々な臓器に有害事象が発生します。それらを管理するためにも、いろいろな科の知識を吸収していただきたいと考えています。腫瘍循環器学、腫瘍内分泌学、腫瘍腎臓病学、がん患者における糖尿病管理、薬剤性肺障害、老年腫瘍学など、内科的知識はがん専門医にとって非常に重要です。

レジデントプログラムの一例(レジデントの希望に応じて柔軟に調整します)。

  • 1年目:乳腺・腫瘍内科6ヶ月、内科系2科をそれぞれ3ヶ月ローテーション(循環器内科、腎臓内科、糖尿病内分泌代謝内科、感染症科など)。臨床業務と併せて自身のクリニカルクエスチョンを見つけ、研究プロトコールを作成する
  • 2年目:主に院外研修(研修先は医療教育部門にお問い合わせください)。院外研修中も指導医と連絡を取りながら研究をすすめる
  • 3年目:乳腺・腫瘍内科6ヶ月、内科系2科をそれぞれ3ヶ月ローテーション。研究の仕上げとして、学会発表、論文公表など
  • レジデント終了後:当院フェローとしての専門研修、がん専門病院での専門研修、留学、地域の基幹病院への就職など

フェロー

フェローは基本領域の専門医を取得した方を対象としたプログラムです。旧専門医制度の基本領域の専門医を取得された方は、年間のプログラムを通して日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医を取得していただきます。日本乳癌学会乳腺専門医、日本遺伝性腫瘍学会遺伝性腫瘍専門医の取得も可能です。いずれも科内に指導医がいます。当科は内科の一分野ですが、旧専門医制度の方は基本領域の専門医は必ずしも内科でなくても構いません。専門医に必要な症例が不足している場合は、院内の他科のローテーションも可能です。

新専門医制度の方(2015年卒以降)は新内科専門医を取得のうえ、サブスペシャリティとして日本臨床腫瘍学会認定の腫瘍内科専門医コースにご応募いただきます。学会指定のカリキュラムに従って、臓器横断的にがん薬物療法の研修を行います。

フェローは週に1回外来枠を持っていただき、外来主治医としてがん患者さんの診療にあたります。毎日カンファレンスで治療方針を相談できますので、これまで十分に経験がなくても心配はいりません。また、病棟業務では初期研修医やレジデントを指導していただきます。困ったときはいつでもスタッフがサポートします。

研究面ではご自身の研究を立案していただきます。自分自身が日常臨床の中で疑問に思ったことを研究に落とし込み、研究計画の作成、データ収集、解析、学会発表、論文化を行っていただきます。旧専門医制度の方は、フェロー期間は希望に応じて1~3年から選択できます。期間によって研究テーマは調整いたします。国際共同研究、国内多施設研究、政策研究などの会議への参加はもちろんのこと、臨床試験グループのへの研究提案も積極的に行っていただきます。

また、連携大学院での学位取得についても推奨しています。

現在行っている研究内容やこれまでの業績については、ホームページをご参照ください。
治験・臨床試験・臨床研究 (リンク http://www.hosp.ncgm.go.jp/s042/045/index.html )
研究実績・活動実績 (リンク http://www.hosp.ncgm.go.jp/s042/050/index.html )

フェロー修了後の進路

1.当科のスタッフ、2.がん専門病院などでのさらなる専門研修、3.地域の基幹病院への就職、4.出身医局のスタッフ等、5. 海外留学などが考えられます。スタッフは国内外のがん研究・臨床の専門家と交流があり、進路についてもしっかりとサポートいたします。

これまでに研修医、レジデント、フェローの取り組んだ論文、Letter to the Editor (2019-2021年度)

  1. Ando K, et al. A Case of Recurrent Ovarian Cancer and Therapy-Related Acute Myeloid Leukemia Treated with Azacitidine. Case Rep Oncol 2021;14:1847–1852. (研修医・ケースレポート)
  2. Shimanuki Y, et al. Are Platinum Drugs Ineffective for Triple-Negative Breast Cancer With Residual Invasive Disease After Neoadjuvant Chemotherapy? J Clin Oncol. 2021 Nov 1;39(31):3521-3522. (薬剤師・Letter to the Editor)
  3. Tanaka M, et al. Adjuvant Treatment for Small-Size, Node-Negative, Human Epidermal Growth Factor Receptor 2-Positive Breast Cancer: Escalation or De-Escalation? J Clin Oncol. 2021 Nov 10;39(32):3647-3648. (薬剤師・Letter to the Editor)
  4. Ito K, Shimomura A. What Is the Optimal Treatment for Vulnerable Older Women With Ovarian Cancer? JAMA Oncol. 2021 Nov 1;7(11):1726-1727. (レジデント・Letter to the Editor)
  5. Sato F, et al. Breast Cancer Treatment in a Patient with Decubitus Ulcer Infection Secondary to Spina Bifida: Surgical Resection versus Neoadjuvant Chemotherapy. Case Rep Oncol. 2021 Jun 18;14(2):944-949. (研修医・ケースレポート)
  6. Kawamura Y, et al. Who Can Receive the Benefit of a Palbociclib Add-On in Patients With HR+HER2- Breast Cancer With Residual Disease After Neoadjuvant Chemotherapy? J Clin Oncol. 2021 Sep 20;39(27):3089-3090. (フェロー・Letter to the Editor)
  7. Suemasu T, Shimomura A, Shimizu C, Hashimoto K, Kitagawa D. Regarding the Appropriate Target and Duration of Chemoprevention in Breast Cancer. J Clin Oncol. 2021 Sep 10;39(26):2965-2966. (レジデント・Letter to the Editor)
  8. Shojima H, et al. How can we evaluate the electronic patient-reported outcome appropriately? Clin Oncol. 2021 Aug 10;39(23):2632-2633. (研修医・Letter to the Editor)
  9. Ando K, et al. What Is the Optimal Model to Estimate the Benefits of Chemotherapy in Patients With Hormone Receptor-Positive, HER2-Negative, Node-Negative Breast Cancer? J Clin Oncol. 2021 Jun 10;39(17):1946-1947. (研修医・Letter to the Editor)
  10. Hashimoto K, Shimomura A. Regarding the Addition of CDK4/6 Inhibitor to Postoperative Endocrine Therapy in Patients With HR-Positive HER2-Negative High-Risk Breast Cancer. J Clin Oncol. 2021 May 1;39(13):1506-1507. (フェロー・Letter to the Editor)
  11. Uchihara M, et al. Suggestion for Research Design: Noninferiority Design in Elderly Patients With Soft-Tissue Sarcoma. J Clin Oncol. 2021 Mar 1;39(7):862-863. (レジデント・Letter to the Editor)

学会施設認定

  • 日本臨床腫瘍学会腫瘍内科専門医(新専門医制度)
  • 日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医
  • 日本乳癌学会乳腺専門医
  • 日本遺伝性腫瘍学会認定遺伝性腫瘍専門医

連絡先

医療教育部門 (リンク http://www.hosp.ncgm.go.jp/dce/recruit_guide.html )

教育研修責任者:清水千佳子 (乳腺・腫瘍内科診療科長)
教育実務担当者:下村昭彦 (乳腺・腫瘍内科医師)