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泌尿器科ご紹介
手術支援ロボット「ダビンチ」
泌尿器科は尿路・生殖器、すなわち、副腎、腎、腎盂(じんう)・尿管、膀胱、前立腺、陰嚢・陰茎・精巣等、に発生する疾患を扱っています。疾患の種類は腫瘍(良性、悪性)、排尿障害、結石、感染症、腎不全、不妊、性機能障害など多岐にわたっていますが、高齢者が罹る病気が多いため、患者数は年々増加しています。特に前立腺癌は2015年以降の男性の予想罹患数(新たに診断された患者数)が一番多かったことが報告されています。国立がん研究センターによれば2016年は92,600名の方が新たに前立腺癌と診断されたと予想されています。
国立国際医療研究センター泌尿器科では、質の高い安全な医療を提供する、わかりやすく丁寧な説明を行う、患者さんの立場で考える、をモットーに、患者さんと共に診療を進めてまいります。
手術では従来の開腹手術に加え、低侵襲手術である腹腔鏡手術を多く取り入れています。腹腔鏡では主に副腎摘除術(副腎腫瘍)、腎摘除術(腎がん)、腎尿管摘除術(腎盂・尿管がん)を行っております。術後の回復は早く、痛みなども少ないとされています。当院には経験豊かな腹腔鏡技術認定医が2名おります。
また2016年7月から前立腺癌に対するロボット支援手術を導入し、プロクター(手術指導医)1名、認定医2名の体制で行っております。現在、腎癌に対するロボット支援下腎部分切除術も行っております。2018年6月には150例目の手術を無事に遂行することができました。ロボット支援下に行う前立腺全摘術は従来の開腹の手術に比べ、断端陽性率が少ない(癌がきちんと取り切れる)、出血量が少ない、術後の尿失禁が少ない、などの利点があることが判っており、従来の開腹手術に比べて優れた手術であると考えられています。ロボット支援下腎部分切除術も従来の手術に比べて体への負担が少ないと考えられています。これらのロボット支援手術は、通常の保険診療で受けることができます。
進行した泌尿器がんに対しては抗がん剤化学療法、分子標的薬治療などの薬物療法、放射線療法、場合により転移巣切除など合わせた集学的治療を行っております。当科では皆さんが安心して治療を続けることができるよう、様々な配慮をしています。これまでに数多くの治療実績がありますので、特に化学療法などでの副作用などの問題につきましても、対応することができます。また条件のそろった方には外来ベースの化学療法も積極的に行っています。
腫瘍以外では、結石治療にも力を入れております。体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(ESWL)、経尿道的尿路結石除去術(内視鏡によるレーザー砕石:TUL)、経皮的尿路結石砕石術(PNL)および上記のTULとPNLを同時に行う術式(TAP)などすべての方法を行う設備・環境が整っており、これらを駆使して治療を行っています。