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第8回国際保健医療協力研修

 第8回国際保健医療協力研修

 2017年9月13日から22日まで第8回国際保健医療協力研修に参加させていただきました。
本研修は日本で国際保健医療協力に必要な基礎的知識および関連手法を学ぶ講義と、実際にベトナム現地で海外の現場介入を体験するフィールドコースとで構成されており、研修を通じて今後国際保健医療に携わるための個人のビジョンを形成することが目的となっております。

 今回、私は医療の質改善グループに参加し、ホアビン省総合病院の品質管理課の方々とグループワークを行いました。
品質管理課ではインシデントレポート、5S活動、回診用ワゴンの改良などこれまで医療の質に関する様々な取り組みを行っていますが、手術時チェックリストが十分活用されていない現状にありました。そこで、当院で実際に使用している手術時のチェックリストや医療安全ポケットマニュアルなどの資料を共有し、ホアビン省総合病院のチェックリストや医療安全管理体制との比較を行いながら、手術時チェックリスト利用率を上げるための取り組みについて考えました。
その中で、ベトナムでは簡単にカラー印刷ができない、院内メールがないために日本で行っている取り組みを即座に実行に移せないという壁にぶつかりました。こうした物質的な限界を肌で感じながらその中でも互いにできることを探し、戦略を立案できたことは大変良い経験となりました。加えて、品質管理課の方からの質問は多岐に渡り、専門分野だけでなく組織・社会と医療の繋がりなど幅広い知識が求められました。これは継続的にNCGMがこの研修を行なってきたひとつの成果であると感じています。

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 べトナムの医療は大きく分けてピラミッド型の4層構造になっており、今回の研修期間中に三次医療施設の中央レベルから一次医療施設のコミューンレベルまで施設見学もさせていただきました。一番上位に位置するバックマイ病院では数年後に日本の経済産業省事業の一環として人間ドックセンターも建設予定であり、ベトナム医療の変革を感じました。
また、日本の医療は「日本式医療」と呼ばれており、この中には日本の医療機器、診察レベルだけでなく、丁寧な説明や挨拶も含まれていることに大変驚きました。

 今回の研修を通じて、ベトナムの医療制度を学ぶことや海外での現場介入を体験するだけでなく、様々な国が医療に介入するベトナムで世界から見た日本の医療の技術とその役割についても考えさせられました。
短い研修期間でしたがベトナムの勤勉で穏やかなスタッフとグループメンバーに恵まれ、大変充実した時間となりました。このような貴重な機会を与えていただきました国際医療協力局、放射線診療部門、関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

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筆者:一般撮影主任 遠藤