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2023年 医療技術等国際展開推進事業(ケニア共和国乳房撮影技術強化事業)

事業概要

 ケニア共和国において、若年齢で乳がんを発症する女性が多く、早期発見ができずに診断された時点で既に10人中7人はステージⅢ以上であるという課題があります。乳がんは早期発見ができれば生存率が高いことが知られていますが、ケニア国内では乳がん検診が一般的ではないため、症状が進行してから発見される場合が多く命を落とす原因ともなっています。ケニア保健省はこの課題を重く受け止めており、乳がん検診に対する技術向上が望まれています。

 本事業では、日本製マンモグラフィ装置が納入されている病院および保健省管轄病院を対象にマンモグラフィの技術支援を行い、撮影技術向上を通じて乳がんの早期発見・死亡率減少の一助となることを目的としています。

研修日程

・ケニア渡航
 第一回 2023年11月24日~12月2日(長谷川、北村、平松、寺嶋)
 第二回 2024年2月16日~2月25日(屋宜、平松、寺嶋)

内容

・第一回渡航
 現地病院視察および保健省の組織であるNational Cancer Control Project関係者との顔合わせにより、今後の円滑な事業運営を進めることを目的として渡航しました。また2月開催のオンサイトセミナーの概要を決定し、次年度の事業継続を協議しました。

 現地視察では、保健省管轄病院であるKenyatta National Hospital、FUJIFILM社製マンモグラフィが導入されているKijabe Hospital、ケニア国内で有数の教育機関であるKenyatta University Teaching, Referral & Research Hospitalを訪問しました。三施設の撮影室を見学し、臨床画像を拝見しました。撮影室内は綺麗に整理整頓されており、装置も清潔に保たれていました。ポジショニングに関してはいくつか改善できる点もあり、放射線技師との意見交換を通してどのように撮影しているのかヒアリングを行いました。Kijabe Hopitalでは、装置の性能をより発揮できるよう、当院での使用経験をもとに撮影時の工夫をお伝えしました。

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・第二回渡航
 第一回渡航で決定したオンサイトセミナー実施のため渡航しました。
 現地では前回訪問した三施設にて講義とハンズオンセミナーをそれぞれ行いました。Kenyatta National Hospital17名、Kijabe Hospital7名、Kenyatta University Teaching, Referral & Research Hospital20名、計44名の多くの方々に参加していただきました。講義では日本の乳がん検診制度と検査説明を含めたポジショニングに関する内容で行い、ハンズオンセミナーでは各施設の撮影装置を実際に使用し日本でのマンモグラフィ撮影に関する工夫などお伝えしました。
質問等を多く受ける対話型の講義とハンズオンセミナーを実施したことでマンモグラフィ撮影の理解に大きく貢献できたのではないかと思います。
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 本事業は2024年度も継続して活動する予定です。2月に現地で行ったセミナーでは、保健省の医師や参加した放射線技師から数多くのフィードバックおよび今後の要望を頂くことができました。次年度は更にケニアの医療環境に即した活動ができるよう、引き続き尽力していきたいです。