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診療科紹介
鼠径・腹壁ヘルニアセンター診療紹介
腹部のヘルニアは、鼠径ヘルニアのみでも、世界では年間約2000万件の修復手術が(日本ではDPC対象病院データのみで年間12万件)施行されている非常に一般的な疾患です。しかし今後高齢化社会が進むにつれ、病因に加齢変性的な側面もある鼠径ヘルニアや、腹部手術後のヘルニアである腹壁瘢痕ヘルニアなどの頻度は更に増加することが予想され、また様々な併存症をお持ちの患者さんが腹部ヘルニアに罹患するケースも益々増えて来ると思われます。
国立国際医療研究センターは、総合病院を基盤とする唯一のナショナルセンターですが、高度に専門的な医療を提供する傍ら、これまで年間100~200例、累計2000件以上のヘルニア修復術を施行しています。その経験や環境を生かし、我々は2018年より鼠径・腹壁ヘルニアセンターを立ち上げ、より専門的な腹部ヘルニア治療の提供を行っています。
具体的な特色としまして、
- 臓器グループを跨いだメンバー構成により、鼠径部ヘルニアのみならず、腹壁瘢痕ヘルニアや食道裂孔ヘルニア、傍ストマヘルニアなどすべてのタイプの腹部ヘルニアに対応が可能です。
- 腹腔鏡手術などの手術方法や、全身麻酔や局所麻酔などの麻酔方法など、様々なアプローチが選択可能であり、患者様それぞれの状態に即した手術・麻酔を提案します。
- 総合病院である為、全ての診療科が設置されており、重度の並存疾患を抱える患者様にも対応可能です。
- 医師、看護師、薬剤師、管理栄養士など多職種からなる入院支援センターが、患者様一人一人のリスクの評価と安全性を担保し、周術期を安楽に過ごせるようなサポートを行います。
- 国際医療協力局が併設されており、あらゆる非日本語圏の患者様の診療が可能です。
- 病院に併設されている研究所において、科学的なアプローチによる、ヘルニアの病因や腹壁の機能の解明を行い、内外に向けて情報発信を行います。
以上が挙げられます。
多職種、多部署から構成されるセンターの強みを生かし、一般的な病気であるからこそ、質の高い治療を提供していきたいという理念の下、スタッフ一同張り切っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
診療実績
- 2022年度手術実績 166例
内訳:鼠径部ヘルニア141例(うち腹腔鏡84例)
腹壁ヘルニア 25例(うち腹腔鏡9例)
週間センター活動
- 月曜日:鼠径・腹壁ヘルニアセンター外来 / 手術
- 火曜日:鼠径・腹壁ヘルニアセンター外来 / 手術
- 水曜日:鼠径・腹壁ヘルニアセンター外来 / 手術
- 木曜日:鼠径・腹壁ヘルニアセンター外来 / 手術
- 金曜日:鼠径・腹壁ヘルニアセンター外来 / 手術
研究
- 臨床検体を用いたヒト中皮細胞の特性解明研究
- HIV陽性患者における外科手術の周術期管理に関する後ろ向き研究