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膵島移植診療科ご紹介
膵臓の中にあるインスリンを作る細胞の塊を、「膵島」といいます。膵島が壊れると、インスリンを注射で補う治療が生命維持に必須の糖尿病(1型糖尿病など)になってしまいます。そのような患者さんの中には、厳格なインスリン療法を行っても血糖値が不安定で高血糖重症低血糖を繰り返す方がいます。
膵島移植とは、そのような糖尿病患者さんに臓器提供者(ドナー)より提供された膵臓から膵島細胞のみを分離して移植する治療法です。膵島を、局所麻酔下で肝臓の血管(門脈)に点滴の要領で注入移植します。大きな外科手術が不要で、患者さんの負担が軽いことが特徴です。移植後は、免疫抑制剤が必要になります。移植が成功すると膵島は肝臓に生着し、患者さんの血糖値に反応してインスリンを分泌します。それにより血糖値が安定し、特に低血糖発作が大幅に減少します。
当科ではこのような先進的な治療である膵島移植を関係各科とともに行っています。また、難治性慢性膵炎等に対する膵全摘+自家膵島移植という治療も先進医療臨床試験として肝胆膵外科などとともに行っています。
診療科の特徴
日本では限られた施設でのみ実施可能な膵島移植を行っています。
肝胆膵外科や糖尿病内分泌代謝科など関連する各診療科およびコーディネーターなど各専門家が協働して移植医療を行っています。
ご紹介いただく先生方へ
『内因性インスリン分泌能が廃絶した1型糖尿病で、専門的治療によっても血糖変動の不安定性が大きく、重症低血糖のため良好な血糖管理を達成できない方』とされています。
他にもいくつかの適応基準を満たした方が「日本膵・膵島移植学会」に膵島移植適応判定申請することが同種膵島移植の対象患者さんはでき、申請内容は糖尿病専門医からなる適応検討委員会で確認されます。
その後、登録可能となった患者さんは膵島移植を受ける候補レシピエントとなります。
膵島移植を希望される患者さんがいらっしゃいましたら、当科にご紹介ください。また、既存治療では難治性の慢性膵炎の方もご紹介ください。