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治療後の「からだ」のこと

再発

再発は誰しもが不安なものですが、心配だからといって検査を頻繁にうければよいというものではありません。
がんの再発がわかった場合、再発の部位によって根治の可能性が異なります。手術をした側や反対側の胸に再発した場合根治ができる可能性があるため、これらの部位に対しては、定期的な検査が推奨されています。
一方、CTや腫瘍マーカーなど、乳房以外の部位の検査を定期的に行うことを希望する方がいらっしゃいます。しかし、これらの検査は乳がんの予後を改善しないことが科学的に示されています。
このようなことをふまえて、乳がんの治療後の検査についてご説明します。

  • セルフチェック  
    再発した場合でも治癒が期待できるような局所再発や手術と反対側の乳がんは、セルフチェックで見つかることも多いといわれています。
  • 医師による診察(視診・触診) 

    再発の多い時期である治療3年以内は3~6ヶ月ごと、4~5年目は6~12ヶ月ごと、5年目以降は年1回の医師による診察(視診・触診)が推奨されています。

  • マンモグラフィ  
    乳房をできるだけ残す形で手術をする乳房温存手術を受けた場合は、術後1~2年おきにマンモグラフィ検査を受けることが推奨されています。
  • 乳房の超音波  
    超音波は被曝がないため、疑わしい所見がある場合は6~12ヶ月ごとに変化を確認します。
  • 乳房のMRI・全身のCT・PET検査・骨シンチグラフィ・血液検査・腫瘍マーカー  
    定期的な検査は推奨されていません。むしろ大切なことは、なにか気になる症状があるときに診察を受け、必要に応じた検査を受けることです。

気になる症状があるときには、かかりつけ医に相談する、定期的な受診の予約を早めるなど、早めに受診できるよう心がけましょう。
また、心配な気持ちはがまんせず、医療スタッフに話してみましょう。

参考資料:日本乳癌学会 編. 乳がん診療ガイドライン②疫学・診断編 2022年版

後遺症

がんの治療中に始まり、治療終了後も続く症状のことを「後遺症」や「長期合併症」と呼びます。ここでは薬の副作用が長期にわたって続く状況も含めて「後遺症」と表すことにします。手術の術式、使用した薬の種類と量、放射線を当てた部位・線量などによって、おこりうる症状は異なります。生活の工夫によって症状にうまく対応できる場合もありますが、医学的な治療が必要な場合もありますので、どんなに些細と思うことでもまずは医療スタッフに相談することをお勧めします。

以下、それぞれの後遺症についてご説明します。項目をクリックしてご覧ください。

晩期合併症

がん治療を終えて数ヶ月から数年後に発症する、さまざまながんの治療による合併症のことを「晩期合併症」と呼びます。晩期合併症には、「からだ」におこることだけでなく、「こころ」や「暮らし」に影響するものもあります。晩期合併症は必ず起こるものではなく、手術の術式、使用した薬の種類と量、放射線を当てた部位・線量などによってリスクが異なります。治療直後には症状がなくても、数年後に発症する晩期合併症が直接命に関わることもあるため、治療後も長期的に健康管理をすることが重要です。

乳がんの治療は近年、さまざまな治療法を組み合わせる「集学的治療」によって行われることが増えてきています。治療の内容によって気をつけるべき晩期合併症は異なりますので、まずはご自身が受けた治療について医療スタッフに確認しましょう。

ここでは、気をつけるべき晩期合併症について治療別にご説明します。