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胸椎の疾患
- 胸椎は後ろに曲がっているため、椎体に張り付いている脊髄は後縦靭帯骨化や椎間板ヘルニアなどによる前からの圧迫に脆弱です。
- 腹部から下肢の痺れや歩行障害、排尿障害などの症状が出現します。
- 一般的に保存治療は効果が乏しいことが多く、症状が進む場合は手術をお勧めします。
- 脊椎手術の中で、術後に症状が悪化することが比較的多い部位であり、顕微鏡、ナビゲーション、運動誘発電位モニタリングなどあらゆる方法を使って安全に手術ができるように工夫しています。
目次
1.胸椎後縦靱帯骨化症(胸椎OPLL)
原因
- 椎体の後ろ側、脊髄の前にある後縦靭帯が骨になり、分厚くなることで脊髄を圧迫します。
症状
- 胸椎には下肢へつながる脊髄が通っており、下肢のしびれや運動麻痺、排尿障害が出現します。
治療
- 後方からだけの手術と前方からの手術を組み合わせることがあり、症状や圧迫の形状、手術リスクから選択します。金属を使った固定が必要です。

2.胸椎椎間板ヘルニア
原因と症状
- 胸椎の椎間板が後方に飛び出して脊髄や神経根を圧迫し、下肢のしびれ、歩きにくさや肋間神経痛が出現します。
治療
- 飛び出した椎間板を症例に応じて、前方から又は後方から切除します。

3.胸椎黄色靭帯骨化症
原因
- 脊髄の後ろにある靭帯が骨になり、分厚くなることで脊髄を圧迫します。
症状
- 胸椎には下肢へつながる脊髄が通っており、下肢の痺れや運動麻痺、排尿障害が出現します。
検査
- 身体所見とCT、MRIが有用です。
治療
- 後方から骨を削るあるいは金属を使って固定を併用します。