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新型コロナワクチンについて
更新日:2021年2月
新型コロナワクチン関連の情報
職員向け資料
新型コロナウイルスワクチンについて(医療従事者向け)三角筋への筋肉内注射法の基本
よくある質問への回答 FAQ(基本的にファイザーによるワクチン コミナティについての情報を掲載しています)
Q1.mRNAとは何ですか?
A1. メッセンジャーRNAの略で、タンパク質を作るための設計図です。細胞の核内にあるDNAから作られ、タンパク質を作るのに利用された直後に分解されます。我々ヒトの細胞内でも常にmRNAが作られています。
Q2.mRNAワクチンはどのように効果を示すのですか?
A2.新型コロナウイルスの一部のmRNAを特殊なコーティングで包み、筋肉注射により体内に注入します。ヒトの細胞内に入ることにより、新型コロナウイルスのタンパク質の一部が作られ、ヒト免疫細胞がそのタンパク質を異物と認識して、免疫ができます。
Q3.mRNAワクチンは新型コロナウイルス感染症に有効ですか?
A3.はい。現時点では有効性が高いと考えられます。発症者も重症者も減らすことが報告されています。
Q4.mRNAワクチンがヒトのDNAに影響を与えますか?
A4.いいえ。理論上、ヒトのDNAに影響を与えることはありません。DNAは細胞の核内にありますがmRNAは核内に入ることができません。また、mRNAはDNAに変わることもできず、ヒトのDNAに組み込まれることもありません。mRNAは数日で分解され、体内に留まることもありません。
Q5.mRNAワクチンは新型コロナウイルス感染症以外で実用化されていますか?
A5.いいえ。予防や治療として治験等が実施されているワクチンはありますが、mRNAワクチンは今回初めて新型コロナウイルス感染症の予防で実用化されました。
Q6.mRNAワクチンは安全ですか?
A6.はい。既に海外では数千万人の接種実績があり、開発段階で科学的に安全性が確認されています。ただし、その他のワクチンと同様に、副反応がないわけではありません。多くの方で接種部位の疼痛や発赤等の局所反応が報告されています。特に2回目の接種において55歳未満の接種者では、倦怠感や発熱、頭痛などの全身性の副反応が多く見られます。ほとんどの副反応は、一過性で通常1~2日程度で自然に軽快します。
非常に稀ですが、新型コロナワクチン接種後に後述するアナフィラキシー反応や血小板減少症等が報告されているため、接種後の健康観察を適切に実施します。
その他、デング熱等で認められる抗体依存性感染増強(ADE)が懸念されていましたが、予防接種後のそのような報告も見られていません。
定期的に厚生労働省の審議会で副反応疑いについて評価が行われているので参考にされて下さい。
Q7.持病があります。ワクチンを接種しても大丈夫ですか?
A7.<接種すべきでない人>
1 本ワクチン成分に対して重度のアレルギー(治療を必要としたもの)を持っている
例:ポリエチレングリコール(化粧品等に含まれる)、ポリソルベート(乳化剤等としてチョコレート等に含まれる)に対するアレルギー、1回目接種で重度のアレルギー反応あり
2 16歳未満(国によっては12歳未満)
3 新型コロナウイルス感染症に罹患し隔離期間中
<接種は可能だが、利点と危険性を担当医や接種医と協議する必要がある人>
1 妊娠・授乳中
ワクチン開発の治験対象者に妊婦・授乳婦が含まれていなかったため科学的なデータが不足しています。
mRNAワクチンは生ワクチンのように感染は生じず、細胞の核にも入らないため、理論上は安全なワクチンとされています。
一方で、妊娠中のCOVID-19は重症化のリスクが高くなるとされ、接種の推奨対象者は個人の選択において接種が可能と考えられます。
授乳中の接種についても、母乳育児及び感染予防の利点を考慮して接種の適応を判断することが重要です。
詳細については、WHO、米国CDC、英国Green book等の情報を参考にして下さい。
2 重度のアレルギー疾患(喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど)がある
医薬品や食物に対する重篤なアレルギーの既往がある人を中心にアナフィラキシー反応が100万接種で4.7例の頻度で報告されています。
その後の報道では更に頻度は下がっていること、適切な治療により死亡転帰は報告されていないこと等を考慮して、接種を検討します。
NCGMでは接種場所に救急カートを設置する他、アナフィラキシー反応が生じた場合には、ドクターハートのコールにて救命救急センターで診療の対応を行う想定です。
3 抗凝固薬(ワーファリン、DOACなど)使用中
4 免疫不全状態(免疫抑制剤使用、原発性免疫不全など)
5 自己免疫疾患(関節リウマチなど)
6 中等症以上の急性疾患(入院している)に罹患
7 新型コロナウイルス感染症にかかって90日以内
<接種可能な人>
上記以外すべて:例 軽症の急性疾患(新型コロナウイルス感染症を除く)、輸血したことがある
Q8.以前に新型コロナウイルス感染症の抗体検査で陽性でした。いつかかったかはわかりません。接種しなくてよいですか?
A8.いいえ。新型コロナウイルスに再感染した症例も報告されていること等から、WHO等では予防接種が推奨されています。。また、新型コロナウイルス感染症にかかったことがある人に接種しても副反応が増強した報告は今のところありません。
Q9.2回接種しました。これで一生予防が可能ですか?
A9.いいえ。新しいワクチンであり、免疫がいつまで残っているか、これからの研究結果を待つことになります。
Q10.2回接種しました。もう免疫があるので、いつもマスクをつけることはやめても良いですか?
A10.いいえ。ワクチンは100%防ぐものではなく、無症候性感染の可能性もあります。これまで通り、ユニバーサルマスキング(いつもマスクをつけること)、手洗い、三密を避ける、といった対策を続けてください。
Q11.接種後に熱がでました。どうすればよいですか?
A11.自宅で安静にしてください。解熱剤等での対症療法も可能です。症状は、通常1~2日で自然軽快することがほとんどです。
当院での対応を、参考資料として示します。
Q12.このワクチンを接種すると、その後の新型コロナウイルス感染症検査が陽性になりますか?
A12.いいえ。ワクチンにより新型コロナウイルスに感染することはないため、予防接種によって遺伝子検査も抗原検査も陽性になりません。予防接種で免疫を獲得後には、抗体検査では陽性になると考えられます。
Q13.3週間後に予定していた2回目の接種ができませんでした。どうすればよいですか?
A13.速やかに2回目の接種予約をしてください。再度1回目から接種し直しは不要です。
Q14.この3月で転勤になります。2回目はどうすればよいですか?
A14.接種後に接種証明書が発行されます。その記録を保管しておき、次の勤務場所での接種等を相談してください。
Q15.2回目のワクチンは、1回目と違うものでもよいですか?
A15.いいえ。原則として、違なる種類の新型コロナウイルスワクチンを接種した場合の安全性や有効性は証明されていないので、必ず同じ製剤で2回目の接種を受けるようにして下さい。1回目の接種ワクチンが不明な場合等、アナフィラキシー反応が起きた等の特別な理由がある場合には、接種医とご相談下さい。
Q16.免疫抑制剤を使用中に2回接種しました。免疫抑制剤が終了になったので接種しなおしてもよいですか?
A16.いいえ。現時点で、2回を超える接種のデータはなく、安全性が担保できないため追加接種や接種しなおしはできません。
Q17.2回接種しました。抗体検査が陰性だったのでもう一度受けたいです。
A17.現時点で、2回を超える接種は推奨されていません。
Q18. 接種証明書は英語が併記されていますか?
A18. 厚生労働省により発出された手引きによれば、医療従事者向け接種記録書の様式が示されています。英語表記については、Record of Vaccination for COVID-19との記載があります。
この記載内容で不十分な場合等、必要時には日本語の証明書を英文で証明するサービスの利用等も想定されます。
Q19. 年度末で異動となるため2回の接種を受ける事が難しい見込みです。どのようにしたら良いですか?
A19. 厚生労働省が発出している「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に係る手引き(第2.0版)」 によれば、「優先接種については、原則として、在職中に2回接種を受け、一定期間勤務できると見込まれる者を対象とするが、1回目の接種後に退職や転勤等により医療従事者等に該当しなくなった者については、元の勤務先又は転勤先において、接種の機会を確保するように努める。」と記載されています。
接種の必要性及び調整の困難さは個々によって異なるため、移動先の医療機関とも相談の上ご調整下さい。NCGMとしては、事前の調整を前提に、異動後であっても当院にて接種を受けていただく対応は可能です。
Q20. 2回目の接種は3週間後に実施することが基本とされていますが、2回目の接種日程をずらすことは可能でしょうか?
A20. 現在、国内で実施されている新型コロナワクチンの予防接種は、予防接種法における臨時接種で規定されており、その実施要領では「18日以上の間隔をおいて、標準的には 20 日の間隔をおいて2回接種することとし、1回目の接種から間隔が20日を超えた場合はできるだけ速やかに2回目の接種を実施すること。」と通知されています。
また、実際の治験データもあることから、1回目の接種から3週間後の2日前より接種を受けることが可能です。ただし、標準的には3週間後の接種を行うこととなっているため、できるだけ3週間後に接種を行うことが望ましいと言えます。
加えて、職員等の集団接種では接種の準備時点において、使用するワクチンを予め決めておく必要があるため、接種実施日の接種回数の増減を極力減らす方針としており、接種対象者間での調整をお願いしています。
一方で、3週間後に接種日程を変更するやむを得ない事情等があり、加えて接種者間での調整が困難と認められる場合においては、事前に調整を行った上で、原則、後ろにずらす形で接種日の変更を認める対応を取りたいと思います。
また、予定されている職員接種日を過ぎてしまった場合においても、可能な限り6週間以内に2回目の接種をキャッチアップできる接種機会の提供方法について、検討致します。
Q21. どのような場合には予防接種当日に接種ができない状態と判断されますか?
A21. 予防接種実施の手引きでは下記の条件が記載されています。
- 37.5℃以上の明らかな発熱者
- 重篤な急性疾患にかかっている人
- 接種するワクチン成分に対するアナフィラキシー反応の既往がある人
- その他の理由で予防接種が不適当であると判断される人
接種が受けられないと判断される対象範囲は限定的なので、接種を受ける事自体は可能な事例がほどんどです。
その他、努力義務がかかっていない妊娠中の人、期間限定で免疫抑制薬を使用している人等では接種のタイミング等を調整することがあります。
また、迷走神経反射やワクチンの成分以外でアナフィラキシー反応を起こしたことがある人は観察期間を30分に延長する必要があるため注意が必要です。
Q22. 過去に新型コロナウイルス感染症と診断されていますが新型コロナワクチンの接種を受けた方が良いでしょうか?
A22. はい、既感染者でも再感染等の報告があり、未感染者と同様に予防接種を受けておくことが推奨されます。急性期の予防接種を避ける必要があること、自然感染から90日以内の再感染は稀であること等から、接種のタイミングについては接種を受ける医療機関でご相談下さい。
Q23. 予防接種の問診の際のポイントはどのような点ですか?
A23. 接種が受けられない、経過観察時間を延長する等の診療に影響が生じる情報の確認が重要になります。
また、体調不良時の対応について、事前の確認が重要です。
当院での対応を、参考資料 (PDF, Word <要DL>)として示します。