国立国際医療研究センター病院脳神経外科では脳神経外科医を目指す初期臨床研修医を対象に、外科系プログラムのなかで脳神経外科重点コースを設置しています。当院は日本脳神経外科学会専門研修プログラムの基幹施設であり、複数の連携施設と協力し脳神経外科専門医を目指す専攻医の教育に当たっています。重点コース選択の研修医は、初期研修医から専攻医まで一貫した研修を行うことができます。コース内容は以下の通りです。
初期臨床研修2年間
1年目 | 初めの1月脳神経外科ローテーション、その後他科研修。実績により脳神経外科関東支部会での発表、脳血管内治療学会関東地方会での発表、その他学会総会の参加発表 |
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2年目 | 初めの1か月と最後の3月脳神経外科ローテーション、CSDHやドレナージ術術者、通常3年目以降に行う頭蓋形成術やシャントなどの術者、脳血管撮影術者。日々の実績に応じて脳神経外科学会総会、脳血管内治療学会総会での発表。 |
具体的なローテーション内容
脳神経外科は外科ローテーション枠4枠(4か月)と神経選択枠1枠(1か月)の合計5枠(5か月)の研修となります。
- 1年目
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4月の研修開始から1か月に医師としての第一歩を脳神経外科で学び、その後他科ローテ―トに移行します。内科や外科、救急など必須の科の研修を行っていきます。
- 2年目
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1年後医師として成長した姿で再び脳神経外科をローテ―トします。この時期は1年後輩の1年医師も配属されているため、自身の研修を行いつつ、後輩の指導も行うことになります。その後は1年目で研修していない残りの科を研修します。2年目の最後の3か月のローテ―トは次の4月からのレジデントとしての業務を一部先取りし、手術の術者や脳血管撮影の術者の機会を得ます。その後のレジデントとしての研修にスムースに移行します。
- また神経系の内科研修のため内科選択6週間で神経内科をローテートします。そのほか自由選択枠が2か月あり、脳神経外科に関連する希望の科をローテートすることができます。自由選択枠は脳神経外科をローテ―トすることも可能で、脳神経外科研修は最大7か月研修することが可能です。
【専攻医(後期臨床研修)4年間】
- 3年目
- NCGM、病棟管理、小手術の術者、大手術の助手、研修医指導。脳神経外科学会総会、脳血管内治療学会総会、脳卒中学会での発表。
- 4、5年目外部研修
- 都立墨東病院、NTT東日本関東病院、北原国際病院、国立成育医療研究センター、都立神経病院、自治医科大学病院、そのほか関連病院
- 6年目
- NCGM、論文執筆(2,3年目での執筆も可能)、脳外科手術術者、血管内手術術者、レジデント指導。脳神経外科学会総会、脳血管内治療学会総会、脳卒中学会での発表。
- 7年目
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脳神経外科専門医受験、血栓回収術実施医資格取得、脳血管内治療専門医受験
【専門医取得後】
- 8年目
- 脳卒中専門医、神経内視鏡認定医、連携大学院により博士号取得、外部専門施設による専門研修
なお、3年目以降の専攻医は、日本専門医機構、日本脳神経外科学会によりプログラムで採用できる人数が定められています。プログラム全体で専攻医希望者数が定められた人数を上回る場合、専攻医の選抜を行うことになり、重点コース研修者であっても専攻医を継続できない場合があることをご承知おきください。
重点コースは原則として見学に来られた方を対象としています。見学の上、重点コースで応募される方は応募の前にメールでご連絡ください。
原徹男(副院長・脳卒中センター長)、井上雅人(診療科長・脳卒中センター副センター長)
連絡先;脳神経外科科長 井上雅人
inmasato@hosp.ncgm.go.jp