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婦人科腫瘍分野のご案内
がん領域
現在は、冨尾賢介医師と大西賢人医師(ともに婦人科腫瘍専門医)が中心となって、婦人科悪性腫瘍の診療に対応しています。当院は、婦人科腫瘍専門医の修練施設でもあり、放射線科・病理診断科・乳腺腫瘍内科・臨床ゲノム科とも定期的にカンファレンスを行い、治療方針を検討しています。合併症のためがん専門病院では治療が受けられない患者さんについても、センター内で様々な診療科と連携を取りながら、積極的に受け入れています。
子宮頸がん
当院での子宮頸がんの治療は、患者さんの病状に応じて、手術、放射線治療、化学療法などを行なう体制が整っています。手術では、子宮を摘出することが基本となりますが、早期がんでは手術のみでの治癒を目指します。進行がんや手術での摘出が困難な場合では、放射線治療や化学療法を主体とした治療を行っています。一部の放射線治療は、国立がん研究センター病院や東京大学医学部附属病院などとも連携して行なっています。一方で、ごく早期がんの場合は、子宮を温存することが可能な場合もあります。
子宮頸がんは、がん検診を定期的に受診することで、できるだけ早期に、可能であればがんになる手前の段階で発見して治療することが大切です。当院では、がん検診で異常があった場合の二次検診(コルポスコープ外来)も、随時予約対応しています(月曜・木曜の午後1時~午後2時)。
1.症例数
進行期 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Ⅰ | 6 | 5 | 9 | 4 | 4 | 7 | |||||||
Ⅱ | 7 | 7 | 3 | 3 | 3 | ||||||||
Ⅲ | 2 | 2 | 3 | ||||||||||
Ⅳ | 2 | 3 | 1 | 5 | 3 | 1 | |||||||
外陰癌・腟癌 | 1 | 2 | 2 | ||||||||||
合計 | 17 | 18 | 10 | 14 | 12 | 14 |
2.治療内訳
2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | ||||||||
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広汎子宮全摘出術 | 5 | 3 | 2 | 4 | 5 | 5 | |||||||
準広汎子宮全摘出術 | 1 | 2 | 3 | 1 | |||||||||
拡大・単純子宮全摘 | 1 | 1 | 1 | 2 | 4 | ||||||||
化学放射線併用療法 | 6 | 8 | 1 | 3 | 1 | ||||||||
放射線療法 | 2 | 2 | 1 | 1 | 3 | ||||||||
化学療法 | 1 | 1 | 2 | 1 | |||||||||
円錐切除 | 1 | 3 | 1 |
子宮体がん
当院での子宮体がんの治療は、可能な限り手術での摘出を行いますが、化学療法や放射線治療も行う体制が整っています。特に早期の子宮体がん(進行期IA期が推定される高分化型類内膜腺癌)では、保険診療として腹腔鏡手術も行なっています。また進行がんの場合では、乳腺腫瘍内科や臨床ゲノム科とも連携の上、化学療法やホルモン療法を行なったり、適応があればキイトルーダ等の新しい薬物療法についても実施が可能です。一方で子宮頸がんと同様に、妊娠の希望があるごく早期がんでは、子宮を温存することが可能な場合もあります。
子宮体がんは、ほとんどの早期がんでは治癒が可能です。そのため、月経とは異なる不正出血を認めた際には受診して、早期発見することが大切です。当院では、不正出血やかかりつけ医での検査で異常があった場合に、必要な精密検査を随時対応しています。
1.症例数
進行期 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Ⅰ | 11 | 11 | 19 | 10 | 15 | 10 | |||||||
Ⅱ | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | |||||||
Ⅲ | 4 | 4 | 3 | 3 | 3 | ||||||||
Ⅳ | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 2 | |||||||
肉腫 | 2 | 2 | 1 | ||||||||||
合計 | 17 | 17 | 24 | 16 | 22 | 17 |
2.治療内訳
2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
腹腔鏡下手術 | 4 | 5 | 5 | 8 | 8 | ||||||||
開腹手術 | 16 | 13 | 16 | 8 | 11 | 7 | |||||||
放射線療法 | 1 | 1 | 1 | 1 | |||||||||
化学療法 | 1 | ||||||||||||
妊孕性温存 | 1 |
卵巣がん
当院での卵巣がんの治療は、手術と化学療法を柱としています。卵巣がんでは、診断と治療のために手術が行われますが、完全摘出もしくは最大限の腫瘍減量を行うことが重要とされています。当院では、消化器外科・泌尿器科とも連携して、より効果的な手術を行える体制が整っています。一方、進行卵巣がんでは化学療法の効果も重要となりますが、乳腺腫瘍内科・臨床ゲノム科とも定期カンファレンスを行い、近年適応となっている分子標的薬(ベバシズマブ・オラパリブ・ニラパリブ)の治療も実施が可能です。また、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)については、予防的手術(保険適応)も行なっており、定期検診等のご相談も随時対応しています。
卵巣がんは、定期的な検診でも早期発見が難しいとされていますが、何となくお腹が張るなどの症状が続く場合は、やはり早めに受診することが大切です。特に近年は、手術や薬物療法も進歩しているため、治癒の可能性も高くなります。当院では、腹部症状やかかりつけ医での検査で異常があった場合に、必要な精密検査を随時対応しています。
1.症例数
進行期 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Ⅰ | 14 | 10 | 15 | 7 | 14 | 7 | |||||||
Ⅱ | 1 | 2 | 2 | 0 | 0 | 1 | |||||||
Ⅲ | 8 | 7 | 10 | 5 | 3 | 5 | |||||||
Ⅳ | 4 | 2 | 5 | 1 | 5 | 2 | |||||||
合計 | 27 | 21 | 32 | 13 | 22 | 15 |