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呼吸器内視鏡診療(5) 喀血に対する気管支動脈塞栓術

【呼吸器内視鏡診療】

喀血に対する気管支動脈塞栓術

喀血(呼吸器インターベンション)外来についてはこちらをご覧ください

疾患の解説

  • 喀血・血痰とは,気管支動脈・肺動静脈・その他体循環系の血管の破綻により気道内に出血をきたす病態であり, 原因疾患としては、気管支拡張症・非結核性抗酸菌症・肺アスペルギルス症・肺結核後遺症などの感染症の頻度が多く、その他特発性喀血症や肺癌などの腫瘍性疾患でも起こりえます。
  • 発症頻度は気管支動脈系からの出血が約90%とほとんどで、原因疾患としては気管支拡張症、肺結核で気管支動脈と肺動脈吻合(B-Pシャント)によるもの、また蔓状血管腫によることもあります。
  • 24 時間で200~600ml 以上の喀血がみられる大量喀血の場合、致死率は高く、比較的大量になると循環動態やガス交換を障害し致死的で、1000ml/日以上の大量喀血での死亡率は60%となります。しかし、このような致死的な喀血は、全体の5~15%程度です。
  • 喀血の治療は原疾患の治療と止血が原則です。Bronchial artery embolization(BAE)はRemyらによって報告されて以来、その有効性から重要な止血手段として広く行われています。

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図2A、B:45歳女性 特発性喀血
 A:右主気管支に凝血塊あり。
 B:喀血による凝血塊にて右葉無気肺となり、急速な低酸素血症となり挿管管理となった。
図2C,D:33歳女性 特発喀血
 C:大量喀血により、気管部まで血餅を認め、換気不良な状態。
 D:右肺全体の無気肺。急速な低酸素血症となり、左片肺挿管にて管理した。

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喀血に対する気管支動脈塞栓術

カテーテルを用いて出血している血管を塞栓するカテーテル治療の1種です。

図1:喀血責任血管の同定方法
A,B:①BAの直径≧2mm②BA起始部から肺門部まで走行が追跡可能で屈曲蛇行が著明
C,D:③肺実質に接した3mm以上の胸膜肥厚④胸膜外脂肪層内における造影効果を示す血管構造
E,F: ⑤仮性動脈瘤の形成

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