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胆膵内視鏡診療(3) 除去切除
内視鏡的壊死組織除去術(ネクロセクトミー)
膵臓の周囲に漏れ出た膵液が感染や壊死を起こして被包化壊死という状態となった場合、中身が固形で細いステントでは十分に内容物を排出できない場合があります。そのためステントを入れてあった穴を広げたり補綴剤(金属ステント)を介してのう胞内に直接内視鏡を挿入して、金属性のワイヤー(スネア)や把持鉗子などで壊死物質をのう胞内から掻き出して治療を行います。週に1~2回のペースで壊死物質がなくなるまで処置を繰り返すため、長期間の治療が必要となります。また出血や空気塞栓、穿孔など重篤な偶発症を起こす可能性があり、手術や血管内治療が行える体制が必要な治療です。
内視鏡的乳頭切除術(パピレクトミー)
十二指腸にある胆管・膵管の出口であるファーター乳頭(十二指腸乳頭部)に稀に腫瘍ができることがあります。これまで十二指腸乳頭部腫瘍に対しては手術が行われてきましたが、近年、内視鏡的切除が行われるようになってきました。全ての腫瘍に対して適応があるのではなく、主に癌の前段階である「腺腫」に対して内視鏡的切除が検討されます。方法ですが、内視鏡を十二指腸まで挿入し、スネアで腫瘍を絞扼、高周波電流で切除します。その後、術後胆管炎や膵炎を予防するため、胆管、膵管にステントを留置します。更に出血を予防するために、切除後の潰瘍面をクリップで閉じます。他の内視鏡治療と比べて出血や膵炎などの偶発症を起こす可能性が高く重篤となることがあり、術後も慎重な経過観察が必要です。経過良好であれば1週間程度でステントを抜いて退院となります。