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SPECT(シンチカメラ)とPET

シンチグラム検査

放射性医薬品という微量な放射線がでるお薬を注射して、お薬の動きをシンチレーションカメラで撮影する検査です。検査の目的や利用するお薬の種類によって検査の方法や時間、撮影する部位が変わります。また、患者さんにお願いする食止めや遮光・遮音などの前処置、撮影する回数も検査ごとに異なります。

プラナー画像(骨シンチグラフィー)

放射性医薬品からでる放射線の分布を平面的に測定し画像にする方法です。

プラナー画像

SPECT(脳血流シンチグラフィー)

放射性医薬品からでる放射線の分布を体外の種々の方向から測定、コンピュータで画像再構成し断層画像にする方法です。

SPECT(脳血流シンチグラフィー)

シンチレーションカメラ(SPECT装置)

2~3つの検出器で構成され、2方向(もしくは3方向)で計測され放射線信号を得ることができます。全身範囲での撮影が可能であり、また、カメラを回転させ撮影することでCTやMRIと同様な断層画像が得られます。この断層撮影のことをSPECT(single photon emission CT)と称されています。

通常のX線検査のように、体の外から放射線をかけて得られる透過像とは異なり、核医学装置の特徴は、身体から放出される放射線を計測して、画像を作成することです。このため、十分なデータを得るにはある程度の撮像時間を要します。

  • シンチレーションカメラ(SPECT装置)
  • SPECT装置

2011年7月にGEヘルスケアジャパン社製INFINIA Hawkeye、2017年12月に同社Discovery 670DRのSPECT/CTを導入しました。SPECT/CTは従来のSPECT装置にCTを融合させた装置で、シンチグラフィーの機能画像にCTによる解剖学的画像を融合して、核医学画像の診断精度の向上が期待できます。Discovery 670DRは診断用16ch multi detector CTを搭載しており、高速撮影が可能かつより精細な位置画像の提供が期待できます。

SPECT/CT (Discovery 670DR)による画像(副腎シンチグラフィー)SPECT/CT (Discovery 670DR)による画像(副腎シンチグラフィー)

検査の負担を減らすために(室内音楽・照明など)

シンチ検査室では検査に支障がない場合に限り、室内音楽・照明を使用し他検査と比べ長い検査時間を負担なく過ごしていただけるよう努めています。室内照明はシンチ検査室初のPhilips Hue・Luminous Textileを設置しています。Philips Hueは、あらゆる面から照明をコントロールできるパーソナル ワイヤレス照明システム、Luminous TextileはテキスタイルパネルというLEDを組み込んだ色、動き、質感などが変化する照明パネルです。

Philips Hue・Luminous Textile

PET/CT装置

検出器が360°のリング状に配置され、身体から放出される放射線を様々な角度で検出することで断層画像が得られます。陽電子放出核種を用いることでSPECTとは異なる放射線計測(同時計測法)が行われます。同時計測の利点は、より正確に体内の放射能分布が推定され病気の場所を同定できます。CTやMRIほど細かいものは見えませんが、形や大きさの評価ではなく、病変の活動性がわかることで、腫瘍診断などに有用な情報を提供します。

PETは体外測定ですが、原理的には直線上にRI分布を推定することが可能です。

PET/CTはPETと高性能なマルチスライスCTを組み合わせた一体型の装置で、1回の検査で両方の撮影が行われます。PET画像にCT画像を融合することで、薬剤の集積や場所がより分かり易くなり診断精度が向上します。

PET/CTではPETとCTが一体型で配置されており、共通の寝台を使用することにより、移動なく2つの撮影が可能になります。

  • PET/CT1
  • PET/CT2
  • PET/CT装置
  • 新しいPET/CT装置

当科では2台のPET/CTが稼働しています。このPET/CTは、GEヘルスケア・ジャパン社と担当の福島印刷工業のご尽力により、機械の本体と検査室の壁面にデザインシートを貼りました。これは患者さんの不安感を和らげることを意図した環境デザインの試みです。実際の患者さんの印象については、早稲田大学との共同研究でアンケート調査を実施しました。詳細は関連リンク「臨床研究の項目」をご覧ください。